IT企業で薬剤師の知見を活かす! 患者QOL×業務負荷軽減の両立を目指す働き方とは?
「ファーマシストの流儀」第8回は、大学病院という臨床の最前線から、新興のIT企業へ転身を果たした清水佳一郎先生です。薬剤師としてのキャリア形成から、ファーマシューティカルケア実現のために薬剤師の業務負荷軽減に取り組む背景や思いまで。清水先生のファーマシストの流儀をうかがいました。
清水 佳一郎(しみず・けいいちろう)先生
薬剤師/株式会社カケハシ
経歴:金沢大学大学院 自然科学研究科(博士前期課程) 医療薬学専攻 修了後、信州大学医学部附属病院に就職。病院薬剤師として8年間勤務。2019年に株式会社カケハシに入社。同社の クラウド電子薬歴『薬局アシスタントMusubi(ムスビ)』(以下、Musubi)の医療コンテンツ企画・制作担当。ITによる患者QOL向上および医療現場の効率化と負荷軽減のために尽力している。東京都出身。
「何をしたいんだろう」行き詰まってしまった大学時代
まずは、先生の経歴と現在の所属、仕事内容を教えてください。
清水先生(以下、敬称略):武蔵野大学薬学部を卒業後、金沢大学大学院の修士課程へ進学しました。
大学院修了後は、学術的な部分を活かしながらキャリアを積むために大学病院にしぼって就職活動をして、信州大学医学部附属病院に就職しました。
大学病院で病院薬剤師として8年間勤めた後、結婚を機に地元の東京に戻りまして、IT企業の株式会社カケハシ(以下、カケハシ)に、2019年に入社しました。
現在は、カケハシが提供している調剤薬局向けクラウド電子薬歴『Musubi』の開発部門で、薬剤師チームの一員として、調剤薬局で利用してもらう服薬指導等のための医療コンテンツ(情報内容)の制作を中心に、薬剤師の知見を製品に注入する業務に携わっています。
大学卒業後は大学院へ進学されましたが、就職は考えなかったのですか?
清水:私は、最初の4年制のときに、流されてそこまでいったようなところがありまして(笑)
大学への進路を考えるにあたって、臨床検査技師である母から資格のある医療従事者が良いという勧めがあったのと化学が好きだったということから薬学部を選択したのですが、4年経った時点で「結局、私は何をしたいんだろう」となってしまったんです。
薬剤師としての一般的な進路である化粧品などの化学品メーカーや、薬局・ドラッグストア、病院なども見た上で、もう少し学術的なところを究めたいということで大学院への進学を決めました。
医療の質×業務負荷軽減の両立を目指してIT企業へ
その後、大学病院からIT企業へ転職されました。大きなキャリアチェンジのように感じますが、転職を決めた理由とは?
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