服薬コンプライアンス向上のための記事まとめ|Dr.竜平の服薬コンプライアンス

更新日: 2020年1月12日 Dr. 竜平

良薬は口に甘し?薬の味と服薬コンプライアンス

良薬は口に甘し?薬の味と服薬コンプライアンスの画像

高齢化が進むにつれて、服薬コンプライアンス不良な患者が急激に増加しています。理由としては本人の病識の無さや認知機能の問題、家族の理解などが挙げられます。
私は内科医として、そういった背景を考慮しつつ、薬剤師と相談し、いかにして内服していただくか、処方を調整することがあります。また一包化や服薬カレンダーを用いて内服忘れや過剰内服を防ぐ指導もしています。
本シリーズでは、クリニックの副院長として働く内科医の私が、日々、診療の現場で考える「服薬コンプライアンスの課題」と、薬剤師に期待することをお伝えします。

参考資料:
『漢方診療のレッスン』(金原出版 2003年)花輪壽彦


前回は「薬剤師が医師とうまく付き合う方法」についてでしたが、今回は、薬の味、飲みやすさについてです。薬の味を理由に投薬を自己中断する患者さんもいます。薬の味について服薬コンプライアンスの観点から考えます。

薬の味で投薬を自己中断する患者さん

「良薬は口に苦し」という故事は子どものころによく親に聞かされました。これは「よく効く薬ほど苦いが病気を治してくれる、転じて自分への忠告は素直に聞きにくい」という意味です。故事が作られた当時は漢方薬による治療が行われ、薬の種類により味は千差万別でした。現代になり西洋薬を用いるようになると、必ずしも味と薬効を結びつけることはなく、薬効の方を重視しています。しかし、人間は今も昔も変わらず「美味しい」「不味い」には敏感です。
先日、こんなエピソードがありました。パーキンソン病の70代の患者さんが、「最近便秘がひどい」と訴え、外来に来たときのことです。顆粒剤を処方し、次回の診察で経過を教えてもらうことになりました。ところがその次の診察では「先生、粉薬って嫌なものだね。舌全体に変な味がして、水を飲んでも口の中に薬が残っている感じがして…。申し訳ないけど、何回かで飲むのやめちゃったよ」と言われてしまいました。
また別の患者さんには、漢方薬を処方したところ「苦くてびっくりした。もう漢方なんか飲みたくない!」とお叱りを受けたこともあります。

良薬は口に甘し?飲んでもらうことが治療の一歩

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Dr. 竜平
ドクター りゅうへい

地方の医学部を卒業後、大学病院で脳神経内科診療に従事しました。その後、実家のクリニックに副院長として入職し内科診療を行なっています。また在宅医療にも興味を持ち診療業務を行なっています。趣味は格闘技やプロ野球観戦です。
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