後医は名医?前医の批判ご法度

参考資料:
『理不尽に勝つ』(PHP研究所 2012)平尾誠二
『最高のコーチは教えない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン 2018)吉井理人
高齢化が進むにつれて、服薬コンプライアンス不良な患者が急激に増加しています。理由としては本人の病識の無さや認知機能の問題、家族の理解などが挙げられます。
私は内科医として、そういった背景を考慮しつつ、薬剤師と相談し、いかにして内服していただくか、処方を調整することがあります。また一包化や服薬カレンダーを用いて内服忘れや過剰内服を防ぐ指導もしています。
本シリーズでは、クリニックの副院長として働く内科医の私が、日々、診療の現場で考える「服薬コンプライアンスの課題」と、薬剤師に期待することをお伝えします。
前回は「ポリファーマシー対策で薬剤師ができること」についてでしたが、今回は、「後医は名医」ということわざから、医療関係者の情報共有について考えてみます。プロの医療者であれば、患者さんに不必要な不安を与えず、よりよい情報共有を目指したいものです。
後医が診断できるのは、前医がしっかり検査をしているから
タイトルにもある「後医は名医」とは「患者さんを最初に診た医師(前医)よりもその後に診た医師(後医)の方がより正確で適切な治療をするため良い医者(名医)のように感じる」ということわざです。
この現象が起こるのは、…