医師はどのように処方する薬を選ぶのか
〜意図がわからなければ薬剤師は疑義照会を〜

高齢化が進むにつれて、服薬コンプライアンス不良な患者が急激に増加しています。理由としては本人の病識の無さや認知機能の問題、家族の理解などが挙げられます。
私は内科医として、そういった背景を考慮しつつ、薬剤師と相談し、いかにして内服していただくか、処方を調整することがあります。また一包化や服薬カレンダーを用いて内服忘れや過剰内服を防ぐ指導もしています。
本シリーズでは、クリニックの副院長として働く内科医の私が、日々、診療の現場で考える「服薬コンプライアンスの課題」と、薬剤師に期待することをお伝えします。
前回は「前医の批判ご法度」についてでしたが、今回は「医師が処方薬を決定する過程」についてお話します。この過程がわかっていれば、薬剤師の方も疑義照会などをしやすくなるのではないでしょうか?
医師が薬の情報を得るには3つの方法がある
今回はやや趣向を変えて医師がどのように処方する薬を選ぶかについて話しします。おそらく、薬剤師の方は、医師の処方する薬について「どうしてこの薬を選んだのだろう?」と思う場面は多いのではないでしょうか。私自身の経験を踏まえてお話ししたいと思います(かなり私見も混じりますが、そちらはなにとぞご了承ください)。
医師が薬の情報を得る手段は大きくわけて3つあります。
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