新薬創出等加算って何?
参考記事
市場拡大・特例、用法用量拡大、23成分が再算定の対象に中医協総会で了承、最大25%の薬価引き下げ想定、4月から
革新的な医薬品のイノベーションは評価する一方、国民皆保険の持続性確保の観点から、▽長期収載品の薬価の適正化、▽新薬創出等加算の適正化――などを行う。医薬品の安定供給の確保、薬価の透明性・予見性の確保なども図る。
今回は、新薬創出等加算(新薬創出・適応外薬解消等促進加算)について簡単に説明したいと思います。制度を見ていくことで、国がどのような薬や企業を評価しているかが分かりますし、薬価改定による医薬品薬価の変化、医薬品卸が提示する価格の理由、各メーカーの戦略が垣間見えるようになると思います。
新薬創出等加算 導入の背景
新薬創出・適応外薬解消等促進加算(新薬創出等加算)はその名前の通り、新薬の創出や適応外の解消を進める製薬企業の医薬品開発を促進するために作られた加算です。
新薬創出等加算が導入される前の薬価制度では、全ての医薬品が2年ごとに市場実勢価格に合わせた薬価引き下げを受けていました。製薬企業は新薬を開発してもそのコストを回収するのに時間がかかり、場合によっては開発コストを回収できないリスクを抱えていました。その結果、製薬企業は新薬開発に消極的になり、それがドラッグ・ラグを引き起こす一因と指摘されてきました。