ぺんぎん薬剤師とはじめる!薬剤師のための中医協講座

更新日: 2024年11月22日 ぺんぎん薬剤師

答申付帯意見と改定の結果検証〜診療報酬改定のスケジュールとは?

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参考記事:24年度改定調査を了承‐後発品やリフィルなど 中央社会保険医療協議会総会

中央社会保険医療協議会は6月12日の総会で、2024年度診療報酬改定の結果検証にかかる特別調査を実施することで了承した。

調査は、診療報酬改定の答申書附帯意見を踏まえた調査項目について特別調査を実施し、24年度診療報酬改定の結果検証のための資料を得ることが目的。今年度は、「在宅医療、在宅歯科医療、在宅訪問薬剤管理および訪問看護の実施状況」「長期処方やリフィル処方の実施状況」「後発品の使用促進策の影響および実施状況」、25年度は「長期処方やリフィル処方の実施状況」「後発品の使用促進策の影響および実施状況」「医療DXの実施状況」「かかりつけ薬剤師・薬局の評価を含む調剤報酬改定の影響および実施状況」を調査する。

すでに2026(令和8)年の診療報酬改定の議論は始まっている!?の画像1

2024年度診療報酬改定の検証って…。6月に施行されたばかりだよね?

すでに2026(令和8)年の診療報酬改定の議論は始まっている!?の画像2

そうなんだけど、来年の5〜6月に中医協で具体的な議論が開始されることを考えれば、準備を進めないと間に合わないんだよ。

1、診療報酬改定と答申

参考記事に「答申書付帯意見」という言葉が登場していますが、そもそも「答申」という言葉を聞いたことはありますか?

とう‐しん〔タフ‐〕【答申】

[名](スル)上司の問いに対して、意見を申し述べること。特に諮問機関が、諮問を受けた事項について行政官庁に意見を具申すること。「審議会が—する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

中央社会保険医療協議会(中医協)は厚生労働大臣の諮問機関です。診療報酬改定での答申では、厚生労働大臣の諮問を受けて、中医協が議論した内容を答申します。2024(令和6)年度を例に、診療報酬改定の流れを少し詳しく説明してみます。

診療報酬改定の流れ/ぺんぎん薬剤師作成

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引用:診療報酬改定の流れ/ぺんぎん薬剤師作成

診療報酬改定は、厚生労働省や中医協だけでなく、内閣や社会保障審議会(社保審、中医協と同じく厚生労働省の諮問会議の一つ)の議論を踏まえて決定されます。

中医協では、2年ごとの診療報酬改定を見越して早い段階から議論を進めます。2024(令和6)年度診療報酬改定に関する本格的な議論は、2023(令和5)年5月ごろから開始されています。6月には経済諮問会議での議論を経て、経済財政運営と改革の方針、いわゆる骨太の方針2024が閣議決定されています。骨太の方針は政策の基本骨格で、各省庁はこれをもとに来年度以降の具体的な施策を検討、財務省に予算請求を行います。診療報酬は厚生労働省が管轄する社会保障関係予算に含まれます。この内容を踏まえて、社保審は、2023(令和5)年8月頃から診療報酬改定の基本方針に関する議論を開始しています。議論の末、2023(令和5)年12月11日に、2024(令和6)年度診療報酬改定の基本方針を決定しています。

内閣で2024(令和6)年度の予算編成を行う中、年末には厚生労働大臣と財務大臣の折衝(交渉)が行われます。厚生労働大臣は、中医協での議論等を踏まえて改定率の要求を行い、その結果をもとに、内閣は2023(令和5)年12月20日に、令和6年度診療報酬改定の改定率を決定しました。

2024(令和6)年1月12日、厚生労働大臣は、社保審で決定した診療報酬改定の基本方針と、内閣が決定した、改定率を踏まえた具体的な診療報酬改定の内容を、中医協に諮問しています。中医協は5月から議論してきた内容を踏まえて改めて議論を行い、具体的な改定内容を決定、2024(令和6)年2月14日に具体的な点数を含めた診療報酬の改定内容を厚生労働大臣に答申しています。

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ややこしい…。こんなことを2年に1回やってるの…?

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診療報酬改定こそ2年に1回だけど、国予算、各省庁の政策は毎年見直しているわけだからね。国の運営って本当に大変だなと思うよ。

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ぺんぎん薬剤師
ぺんぎんやくざいし

4年制薬学部を卒業後、大学院では特許を取得。その経験を患者さんの身近な場所で活かしたいと考え薬局に就職。薬局では通常の薬局業務に加え、学会発表、研修講師、市民講座など、様々な形で「伝えること」を経験。自分の得た知識を文章にし、伝えていくことの難しさと楽しさを学ぶ。 薬局での仕事が忙しくなる中、後輩に教える時間がなくなり、伝える場としてブログ「薬剤師の脳みそ」の運営を開始。その後はTwitter、Facebook、Instagramなどの各種SNSも開始し、より多くの薬剤師に有意義な情報を提供できるメディアを目指して運営を続けています。

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