ウプトラビ錠小児用0.05mgの500錠包装が話題に

参考記事:新薬11成分19品目を薬価収載、中医協 リットフーロは費用対効果評価で薬価引き下げ
中医協総会(会長:小塩隆士・一橋大学経済研究所特任教授)は3月12日、11成分19品目の薬価収載を承認した。3月19日に収載予定。成人の円形脱毛症治療薬リットフーロカプセル(一般名:リトレシチニブトシル酸塩)は費用対効果評価の結果、薬価を5802.40円から5584.30円に引き下げることが決まった。
日本薬剤師会副会長の森昌平氏はウプトラビ錠小児用0.05mgについて、これまで小児用製剤がなく0.2mg錠を粉砕して賦形剤を加えて調剤しており、小児用が開発されたことに謝意を示しつつ、1瓶500錠ボトルのみの販売であることに懸念を示した。「治療開始時には1週間分28錠だが、仮に治療開始直後に副作用などで中止となると、そもそも対象患者数が少ないことから、残りの472錠はそのまま廃棄となる恐れがある」と指摘し、その場合約21万円分が医療機関や薬局の損失となるとして、「高額医薬品の包装形態については処方形態に合わせた最小の数量となるようにお願いしてきた」として改めて小さな単位での包装を求めた。


1.ウプトラビ錠小児用0.05mgってどんな薬?
ウプトラビは、小児の「肺動脈性肺高血圧症」に対する適応を持つ薬剤です。成人用のウプトラビ錠0.2mg/0.4mgは2016年から発売されていますが、今回小児用量が追加され、それに伴い、小児用0.05mgが薬価収載されました。ウプトラビ錠小児用0.05mgは体重9kg以上の小児でも容易に服用できるよう直径3.1mm、厚さ1.8mmのフィルムコーティング錠として製剤化されています。有効成分のセレキシパグは選択的プロスタサイクリン受容体(IP受容体)作動薬です。cAMP濃度を上昇させることで、血管平滑筋を弛緩、血小板凝集を抑制することで、肺血行動態を改善、肺動脈性肺高血圧症の症状を緩和させることが期待されています。
一方で、頻度の高い副作用として、頭痛(58.3%)、下痢(37.9%)、悪心(27.2%)、顎痛(23.6%)、嘔吐(15.0%)等が知られており(()内はいずれも添付文書 その他の副作用に記載されている頻度)、特に投与初期に頭痛、嘔吐、下痢等の副作用が多く報告されています。
そのため、用法用量では体重別に開始用量、増量幅、最高用量が設定されており、7日以上の間隔で増量を行い、最大耐用量を維持用量とするようになっています。
国内で肺動脈性肺高血圧症に使用できるPGI2製剤には経口製剤が存在しないため、ウプトラビ錠小児用0.05mgは患者のQOLの維持に貢献することが期待されています。


2.ウプトラビ錠小児用0.05mgの服用方法と廃棄リスク
ウプトラビ錠小児用0.05mgは体重ごとに用量が細かく設定されている薬剤です。以下の表に従い、1回量を1日2回食後に服用します。