財務省の提言が診療報酬改定に与える影響は?

参考記事:「病院勤務医から開業医にシフトしない診療報酬体系」など主張、財務省 財政審増田分科会長代理「特に診療所の経営情報の見える化が不十分」
財務省の財政制度等審議会財政制度分科会(分科会長:十倉雅和・住友化学取締役相談役)は4月23日、「持続可能な社会保障制度の構築」をテーマに議論し、同省は医療法人の職種別給与・人数提出の義務化や「病院勤務医から開業医へのシフトを起こさないような診療報酬体系の見直し」など、医師偏在対策に関する診療報酬上の措置などを主張する資料を提出、委員からも経済的なディスインセンティブを含む偏在対策を求める意見などが出た(資料は、財務省のホームページ )。


1、財務省の財政制度等審議会での議論
4月23日に開催された財務省 財政制度等審議会 財政制度分科会では「持続可能な社会保障制度の構築」というテーマで議論が行われ、その資料が財務省のホームページで公開されています。今回の議論を踏まえ、5月ごろに「春の建議」が発表されます。これは毎年6月に閣議決定される「骨太の方針」や来年度の予算編成に影響を与えます。また、11月には予算編成の最終段階に影響を与える「秋の建議」が発表されます。来年度の予算編成に影響するということは、厚労省の予算......、つまり来年度に控える診療報酬改定に影響を与える内容ということになります。そのため、どうしても注目せざるを得ない財務省の資料ですが、あくまでも財務省の意見なので、どちらかというと予算を引き下げる方向の意見が強くなっています。また、中医協の議論のような診療報酬改定に向けた具体的な議論ではないのですが、中医協の議論に影響を与えることは間違いありません。


2、財務省の資料に記載されている調剤報酬に関する指摘
今回公開された資料では「調剤報酬」に関する項目が設けられており、5ページにわたって掲載されています。その内容を簡単に紹介、解説します。