2020年度診療報酬改定の要点まとめ
少子高齢化が進む日本の医療の基盤再編のため、地域包括ケアシステムを根底に厚生労働省が掲げた「患者のための薬局ビジョン」。この方針にのっとって、2年に一度の診療報酬改定が行われています。薬剤師業務の見直し、評価制度の検討、薬局経営の変化など、日々改定に関するニュースを気にしている薬剤師も多いと思います。今後、薬局や薬剤師のあり方はどう変わっていくのか。今年の報酬改定の最新動向についてまとめました。
まずは、診療報酬改定の基本方針について振り返りましょう。
- 健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現
- 患者・国民に身近な医療の実現
- どこに住んでいても適切な医療を安心して受けられる社会の実現、医師等の働き方改革の推進
- 社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和
厚生労働省が示した改定方針の4つの柱は下記になります。
(1)医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進
具体的な方向性
- 医師等の長時間労働などの厳しい勤務環境を改善する取組の評価
- 地域医療の確保を図る観点から早急に対応が必要な救急医療体制等の評価
- 業務の効率化に資するICTの利活用の推進
- タスク・シェアリング/タスク・シフティングのためのチーム医療等の推進。
(2)患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現
具体的な方向性
- かかりつけ機能の評価
- 患者にとって必要な情報提供や相談支援、重症化予防の取組
- アウトカムに着目した評価の推進
- 薬局の対物業務から対人業務への構造的転換を推進するための所要の評価の重点化と適正化、院内薬剤師業務の評価
- 医療におけるICTの利活用
(3)医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進
具体的な方向性
- 医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価
- 外来医療の機能分化
- 質の高い在宅医療・訪問看護の確保
- 地域包括ケアシステムの推進のための取組
4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上
具体的な方向性
- 後発医薬品やバイオ後続品の使用促進
- 費用対効果評価制度の活用
- 市場実勢価格を踏まえた適正な評価
- 医師・院内薬剤師と薬局薬剤師の協働の取組による医薬品の適正使用の推進
(2019年12月9日の社保審医療部会資料より)
詳細は、リンクより本記事をお読みください。
中医協総会、2020年度改定に向け「議論の整理」了承
2020年1月15日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)