2026年度・調剤報酬改定の内容について、ポイントや方向性を解説
「薬局のアンテナ」のてっちゃんです!
2026(令和8)年度の調剤報酬改定はどうなるのか、皆様の最大の関心事ではないでしょうか。
2025年11月28日、中医協において、改定に向けた議論がおこなわれました。本レポートでは、2026(令和8)年度調剤報酬改定の見通しについて、徹底解説します。
1.最初に…なぜ調剤報酬改定の内容は予測が可能なのか?
調剤報酬改定の具体的な議論は厚生労働省が管轄しており、主に中央社会保険医療協議会(以下、中医協)という場で行われています。
中医協での議論の様子はYouTubeで一般公開されており、検討資料は誰でも見ることができます。
議論の際に用意される検討資料には、改定の方向性を示唆する内容が多く含まれています。この検討資料の内容をよく読めば、改定の見通しを立てることができるのです。
2026(令和8)年度調剤報酬改定の内容の決定フロー解説図/筆者作成
ここで、具体例を一つご紹介します。
2025年11月29日に開催された中医協では「調剤(その2)」が取り上げられ、以下の資料が公表されています。
引用元:中医協 総-2 7.11.28調剤について(その2)「吸入薬指導加算について」 /厚生労働省
要するに、薬局では喘息患者同様、インフルエンザ患者への吸入指導もしっかり行っているのに吸入薬指導加算を算定できないことを示しています。
その上で、以下の論点が示されています。
【服薬管理指導関係】
時間と労力が必要なインフルエンザ等の急性疾患に対する吸入指導は評価がされていない現状を踏まえ、吸入管理指導加算の算定対象について、どのように考えるか。
つまり、吸入薬指導加算の算定対象にインフルエンザ患者も含めてはどうかということです。
ここまで読み取れれば、吸入薬指導加算がどのように見直されるかは見通しが立ちますね。現在、吸入薬指導加算の算定対象は喘息患者・COPD患者ですが、インフルエンザ患者も加わりそうだという予測が立ちます。
このように、一つ一つの資料を丁寧に見ていくと、ある程度の予測を立てることができます。
2.2026年度調剤報酬改定の大きな方向性
政治の動き
2026(令和8)年度調剤報酬改定については、これまで取り上げた通り中医協で議論されますが、大きな方向性には政治的要因が大きく絡んできます。
中医協は厚生労働省の管轄ですが、その厚労省は内閣の一つの部門であり、内閣は国会の動きに影響されます。
具体的には、国会で決定した政策を実現するために、厚労省や中医協が動きます。中医協も、その政策を踏まえて2026(令和8)年度の調剤報酬改定の内容を検討するということです。
引用元:首相官邸きっず「三権分立とは」 /内閣官房内閣広報室
今の第一党である自民党と日本維新の会が政策として挙げている中で、2026(令和8)年度の調剤報酬改定に関係すると思われる点を、私なりの予測と共に以下に列挙します。