26改定・調剤ベースアップ評価料の対象者・賃上げ幅・賃上げ方法を解説
「薬局のアンテナ」のてっちゃんです!
2026年6月の目玉点数の一つに、調剤ベースアップ評価料があります。
薬局スタッフへの賃上げのための点数ですが、給料にかかわる部分ですので、スタッフが納得感を得られるよう、慎重に対応する必要があります。
一方で、調剤ベースアップ評価料は不明点も多く、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、対象者・賃上げ幅・賃上げ方法のそれぞれについて、私見を交えながら詳しく解説していきます。
なお、本コラムでは以下を前提に解説します。あらかじめご了承ください。
【本コラムでの調剤ベースアップ評価料解説の前提】
- 賃金テーブルを設けていない薬局である
- 2026年6月から2027年5月まで調剤ベースアップ評価料を算定し、賃上げも同期間行う
調剤ベースアップ評価料の概要については以下にてご確認ください。
調剤ベースアップ評価料の概要/薬局のアンテナ作成
【対象職員】「対象になる」と「対象にする」を分けて考えよう
これまでの各種通知を踏まえて、調剤ベースアップ評価料の対象職員(ベースアップの対象者)を以下のように整理しました。ご参考ください。
調剤ベースアップ評価料の対象者/薬局のアンテナ作成
逆に言うと、「パート社員は含まれるのか?」「事業主の家族は含まれるのか?」といった部分については明確になっていません。※2026年4月23日現在
今後も厚労省がすべてを明確化してくれる訳ではないので、わからない部分については各薬局で考えていく必要があります。
例えば、パート社員は対象になるのかというご質問を非常に多くいただきます。
基本的に薬局に勤務しているスタッフが対象となりますので「対象にならない」と示されていないのであれば「対象になる」と考えてはいかがでしょうか。
大事な視点としては、「対象になる」と「対象にする」は違うということです。
例えば、40歳未満の薬局の勤務薬剤師は対象になります。
そのうえで、対象にするかどうかは会社判断です。
40歳未満の薬局の勤務薬剤師だからといって、必ず対象にしなければならないというわけではないと考えています。
調剤ベースアップ評価料の対象者の考え方/薬局のアンテナ作成
調剤ベースアップ評価料は調剤報酬の一つの点数なので、算定要件や施設基準があり一定の制限は設けられています。
算定要件や施設基準で「対象になるかどうか」はすでに示されています。
その中で「対象にするかどうか」は会社で決めていく必要があります。
ベースアップを行う主体は会社である点を踏まえて対応していきましょう。
もう一つ重要な点としては、誰をどれだけベースアップするにしても、スタッフから説明を求められた際には、しっかりと回答できるようにしておくという点です。
全員が納得するのは現実的には難しいと思いますが、一人一人に納得いただけるよう最善を尽くすことは今後の薬局運営の観点からも重要です。
【賃上げ幅の考え方】ベースアップ評価料による収入と法定福利費を検討しよう
賃上げの対象者が決まれば、次はどれだけ賃上げするかを検討する段階です。
まず、賃上げに必要な原資を見積もる必要があります。
具体的には、調剤ベースアップ評価料は1受付あたり4点なので、2026年6月~2027年5月の想定受付回数に4点をかけた金額がこの期間の賃上げ原資となります。
この賃上げ原資から法定福利費の会社負担の増加分を引いた金額を、実際に対象者に配分することになります。
法定福利費の計算は非常に複雑であるため、概算で最大16.5%とすることが認められています。(疑義解釈その3問1より)
また、残業代の発生やスタッフの入れ替わり、想定枚数の変動なども起こり得るため、一定割合を差し引いた状態で支給することも一考ですが、最終的には賃上げ原資はすべて賃上げに充てる必要があります。
なお、必ずしも対象者に一律に支給が必要とはされていないため、会社の裁量により支給金額を変動させることも可能と考えます。
調剤ベースアップ評価料の賃上げ幅の考え方(案)/薬局のアンテナ作成
予め想定していた受付回数と乖離がある等で賃上げ原資が想定よりも多くなった場合は、賃上げ額の引き上げを基本としつつ、難しければ賞与等の手当を行うことが認められています。
いずれにしても、賃上げ原資はすべて賃上げに充てる必要があり、原則として賃上げ原資の繰り越しは認められていません(疑義解釈その2問6より)。
