薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2021年2月19日 薬剤師コラム編集部

「コロナ禍で加速、薬剤師の真価とは」

「コロナ禍で加速、薬剤師の真価とは」のメイン画像1

「患者のための薬局ビジョン」を実現するための好機といえるわけですね。

そうです。私は薬局にもようやくマーケティング的要素が出てきたと考えています。いまの「薬局2.0」にはマーケティングが必要ありません。医療機関の門前で患者さんを待っていればいいのです。集患のマーケティングは医療機関がやってくれます。しかし実は、昔の「薬局1.0」は100%マーケティングだったのです。私の親が経営していた時代の薬局は、近所のなじみのお客さんに来てもらうために、新春セールなどいろいろなイベントを開いていました。顧客管理をきちんとして、さまざまな仕掛け、工夫をしながらファンの囲い込みをしていた。同じように「薬局3.0」では、「無関心客」を「見込み客」にし、さらに「既存客」から「固定客」、「ファン客」というように行動変容してもらう必要があります。

開業医の立場としては当たり前のことで、患者さんはなぜその病院やクリニックを受診するのか。駅前で便利という理由もあるでしょうが、駅前でもつぶれるクリニックはあります。要は医師の技量や人柄、スタッフの対応、院内の雰囲気などで患者さんは選んでいて、薬局もそうあるべきではないかということです。実際そういう方向に進んでおり、特に今回のコロナ禍で、それが可視化されました。いままで当たり前だと思っていた、患者さんが来てくれるということが本当にありがたいことだと薬局の経営者は痛感したはずです。

「薬局3.0」への転換を図るためには、薬剤師の力が非常に重要になりますね。

私は「服用後のフォロー、薬学的アセスメント、医師へのフィードバック」(FAF、ファフ)と言っていますが、薬剤師は患者さんの薬物治療を行う専門家としての立ち位置を確立することが大切になります。対物業務はきちんと行った上で、薬を渡した後、それが効いているかどうかフォローする。渡して終わりではなく、渡してからが勝負です。そのためには「知識・技能・態度」のバージョンアップが大事になります。服用後の患者さんの状態を知るためのバイタルサインに関する技能とともに、そこで得られた患者情報を処方内容と照らし合わせて薬学的に理解し、把握するための知識、そしてそれらの情報を医師にフィードバックし、薬物治療の質を向上させていくための対人スキルが求められます。

FAFを行うことで、薬剤師は薬学的専門性をフルに使うことになります。薬剤師は大学で薬が体に入った後のことを学んだのに、実際の業務では薬が体に入るところまでしか行っていないので、仕事にやりがいが感じられなかったのです。薬を出した後を見るというのは、薬学的専門性が生きます。これはOTC医薬品であっても同じことです。

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

こちらもおすすめ

薬剤師コラム編集部の画像

薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

キーワード一覧

薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

この記事の関連記事

この記事に関連するクイズ

アクセス数ランキング

新着一覧

26万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

キャリア 禁忌 医薬品情報・DI 薬物療法・作用機序 服薬指導 ライフ・雑学 年収・待遇 医療クイズ 疾患・病態 副作用