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更新日: 2021年4月16日

社会や医療現場の問題を解決し、注射薬を内服可能にした「錠剤」の工夫

意外と知らない”剤型”のハナシメインの画像1

錠剤、カプセル剤、散剤、液剤、テープ剤、注射剤のほか、点鼻薬、吸入薬、点眼薬…「薬」には色々な剤型があります。普段から何気なく扱っているその剤型にも、実は意外な歴史、意外な開発の経緯があります。
第3回のテーマは「錠剤」です。

オキシコンチン®TR錠(オキシコドン)

2017年12月8日、「乱用防止」を目的とした持続性がん性疼痛治療薬として発売されました。オキシコドン塩酸塩はテバインを原料として1916年に合成され、日本では1955年に第2改正国民医薬品集から収載されています1)

何故、「乱用防止」を目的とした錠剤が開発されたのでしょうか? それには、アメリカでのオピオイドにまつわる薬物乱用問題が関わっています。1つのきっかけは、2000年のアメリカ会議で、2001年からの10年を「痛みの10年」とし、痛みを積極的に取り除いていくことを最優先とする議決を採択したことです2)。この結果、オピオイドの安易な処方が増加しました。そのために、オピオイドの処方を制限する方向に舵を取りましたが、この制限はヘロインなどを含めたオピオイドの乱用に繋がってしまいました3)。これを受けて、2011年に薬物政策国際委員会(Global Commission on Drug Policy:GCDP)は、「国際的な薬物戦争は世界中の人々と社会に対して破壊的な影響を与え失敗した」と発言。2017年には当時の米国大統領トランプ氏は「オピオイドクライシス」(非常事態宣言)を宣言しました4)

こういった背景があり、米国ではOxyContin 錠は乱用防止機能を備えた製剤となっています。それに伴い、日本でも乱用防止を目的とした製剤が開発、発売されることになりました。「オキシコンチンTR錠」は錠剤の強度を高くすることで、粉末にまで砕くことが困難な、非常に硬い製剤に設計されています。その破砕抵抗性は、乱用目的でハンマー等の鈍器で与える衝撃以上の圧力を加えても、粉末又は砕きやすい塊を生じないことが確認されています5)

このような硬い製剤ですが、体内ではきちんと溶解し、薬が吸収されるように設計されています。ポリ…

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鈴木 猛弘の画像

鈴木 猛弘
すずき たけひろ

薬剤師 / 認定薬剤師
ひまわり調剤 新川崎薬局所属
2013年 大学卒業後、保険調剤薬局で従事
EBMやNBMについて学び実践を試みる傍ら、お薬や医療に関わる歴史について学び、 ブログTwitterを通して情報発信を行っている。

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