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更新日: 2021年12月3日

薬剤師のための論文活用-情報の取捨選択と薬剤師の専門性(前編)

新型コロナウイルス感染症の治療薬候補としてイベルメクチンという薬に関心が集まったことは記憶に新しいと思います。様々なメディアが、連日のようにイベルメクチンの話題を取り上げていましたが、こうした情報を目にして、皆さんはどのような思いを抱いたことでしょうか。

新型コロナウイルス感染症に対するイベルメクチンの有効性を検討した論文をもとに薬剤師のための論文活用を考察

2021年11月に開催された日本薬局学会のワークショップで、新型コロナウイルス感染症に対するイベルメクチンの有効性をテーマに、論文情報の活用に関するお話をさせていただきました。この記事では、ワークショップの概要をお伝えするととともに、情報の取捨選択と薬剤師の専門性について考えてみたいと思います。

なぜイベルメクチンが注目された!?

腸管糞線虫症、および疥癬に保険適用を有するイベルメクチンは、放線菌が生成するアベルメクチンという物質の化学誘導体です。イベルメクチンは疥癬のみならず、鉤虫、回虫、肺線虫、糸状虫などの寄生虫や、ダニ、ハエの成虫・幼虫など、節足動物に対する駆虫効果もあり、犬や猫をはじめとした動物にも臨床応用されています。

またイベルメクチンは、熱帯地域やアフリカ南部で有病者が多いオンコセルカ症の治療薬として用いられてきた歴史があります。河川盲目症とも呼ばれるオンコセルカ症は、回旋糸状虫という寄生虫によって引き起こされる感染症です。激しい掻痒、外観を損なう皮膚の変化などの症状が一般的ですが、永久失明を含む視覚障害も引き起こします。

オンコセルカ症はアフリカを中心に世界中で約9千万人が罹患してしまうリスクに曝されており、そのうち3700万人以上が既に感染していると推定され、オンコセルカ症により30万人が永久失明していると見積もられています1)

そのような中、イベルメクチンは西アフリカで約60万人の失明を防いだとも言われており、こう…

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青島 周一
あおしま しゅういち

2004 年城西大学薬学部卒業。保険薬局勤務を経て2012 年より医療法人社団徳仁会中野病院(栃木県栃木市)勤務。特定非営利活動法人アヘッドマップ共同代表。
主な著書に『OTC医薬品 どんなふうに販売したらイイですか?(金芳堂)』『医療情報を見る、医療情報から見る エビデンスと向き合うための10のスキル(金芳堂)』『医学論文を読んで活用するための10講義(中外医学社)』
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