薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2022年2月15日 躰長 靖貴

薬局の独立開業に繋がる、M&Aという道

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前回の記事で紹介したように、独立開業に向けてモチベーションもしっかり保ちながら、知識やスキルも十分に身についてきて、いざ独立開業だと意気込んでいる薬剤師の皆さんに質問です。具体的にどのような方法で独立開業をするのが良いと思いますか?

そろそろ挑戦したいと思いながら、どんな方法で独立をすれば良いかということで悩んでいる薬剤師は多いと思います。実際に、私もこの点で悩みました。そこで、今回は独立開業をするための具体的な方法を解説し、20代で私が独立を果たした方法もご紹介します。

薬局を経営するための方法

薬局経営者になる方法はいくつか存在します。

まず一つ目は、親族が調剤薬局を経営しており、その親族から経営を引き継ぐ方法です。このパターンは、そのような親族がいない私を含め多くの薬剤師には不可能であることは言うまでもありません。

二つ目は、院内処方の医療機関が院外処方に切り替わるタイミングで、近隣に調剤薬局を出店する方法です。しかし、院外処方率が80%と高い水準である現在においては、タイミングを逃してしまったと言える方法です。

三つ目は、開院を希望している医師と関係性を築いておき、医師が開院する際に一緒に調剤薬局を開業する方法です。製薬会社のMRとして働いていた薬剤師に多かった開業のパターンです。しかしながら、近年ではこの方法も難しくなってきています。なぜなら、医療コンサルタントや大手調剤薬局が開院のための物件情報を医師へ提供し、その近隣に大手調剤薬局が開業して医療モールとして成立させてしまうことが多いためです。そのため、一般の薬剤師は物件情報や開院希望医師との繋がりをはじめとする、情報収集能力を持っていないため難しいのです。

最後の四つ目は、既存の調剤薬局を引き継ぐ方法です。他の業種と同じく、調剤薬局業界でも後継者不足は深刻な問題の一つです。後継者がいない場合は、薬局を閉局するという選択肢もありますが、近隣医院や地域住民に迷惑がかかることもあります。そこで、閉局することが難しい薬局にとって、第三者への譲渡は有用な手段の1つとなるわけです。

また、以前の記事でも紹介したM&Aという方法で、大手調剤薬局が買収した規模の小さい調剤薬局を、様々な理由によって再度売却することもあります。

このような「事業の承継」「大手薬局の店舗の切り離し」という情報を元に、私のような薬局譲渡を仲介している開業コンサルタントが、独立を希望する薬剤師と売却を希望する調剤薬局をマッチングさせます。実際、この方法で独立開業を果たす薬剤師が多くいることは事実です。私も事業承継で独立を果たした薬剤師の1人です。

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躰長 靖貴
たいなが やすたか

薬剤師/株式会社ファーマピア代表取締役
足立区薬剤師会理事

2013年帝京大学薬学部卒業。2016年(28歳)に東京都足立区で調剤薬局を開業。
現在は薬局経営の傍ら、開局する若手薬剤師を支援するため開局コンサルタントとして、薬局のM&A案件の仲介、経営コンサルティングを行う。
また、薬学教育にも力を入れ、認定実務実習指導薬剤師として毎年多くの薬学生を受け入れている。

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