薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2022年6月15日 児島 悠史

薬局の感染対策、一度見直そう①~受付のビニールシートやアクリル板

薬局の感染対策、一度見直そう1~受付のビニールシートやアクリル板メインの画像1

未知の感染症に対して、わからないなりにも色々と“できること”を探って対策をしてから2年半、新型コロナウイルスの特性や感染が起きやすい状況というのはかなり詳細にわかってきました。当初は“できること”の1つとして取り入れた対策であっても、今の情報を踏まえて改めて評価してみると、意外と続ける必要性の低いものや、むしろ辞めてしまった方がメリットのあるものもあるかもしれません。各対策が、具体的に誰をどんなリスクから守っているのか?という視点で、改めて検証してみましょう。

要検討事項①:受付にあるビニールシートやアクリル板

薬局の感染対策、一度見直そう1~受付のビニールシートやアクリル板の画像1

薬局の受け付けや投薬台に、透明のビニールシートやアクリル板を設置しているところは多いと思います。確かに、これら物理的な遮蔽物が患者さんとの間にあると、患者さんが急に咳やくしゃみをしたとしても、直接に飛沫を浴びることを防ぐことができます。新型コロナウイルス感染症では、こうした飛沫による感染が起こり得ますので、これらビニールシートやアクリル板の設置は“意味のあるもの”と言えます。

一方で、薬局では多くの場合、利用者にマスクの着用をお願いしていることと思います。そのため、基本的にマスクを着用した上で適切な咳エチケットを守っていれば、患者さんからの飛沫をダイレクトに浴びてしまう、というケースはかなり少ないはずです。つまり、このビニールシートやアクリル板は無意味ではないものの、「あって助かった」というシチュエーションは、それほど頻繁にあるわけではありません。

また、我々薬剤師側も患者さん側もマスクを着用している上に、間にビニールシートやアクリル板という遮蔽物があると、お互いの会話はかなり聞き取りにくくなります。これによって、患者さんへの聞き取りや服薬指導の質が低下するのであれば、それは無視できないデメリットになります。

特に気を付けたいのが、

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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