褥瘡の治療に使われる外用薬とドレッシング材の基本
褥瘡の治療は「保存的治療」「物理療法」「外科的治療」に分かれており、「保存的治療」では外用薬やドレッシング材を使用します。多様な製品が発売されているので、今回は「保存的治療」で使われるもののうち、薬剤師が押さえておきたいものを紹介します。
滲出液の量を考慮するのは何故か?
褥瘡治療に外用薬やドレッシング材を使う場合、傷の滲出液の状態に合わせた製剤を選ぶ必要があります。
そもそも滲出液とは、創傷から滲み出てくる組織間液のことですが、そこには傷口を修復する成分が含まれていることが分かっています。そのため、創傷は適度に滲出液で潤っている状態を維持する、というのが褥瘡の治療に重要です。つまり、滲出液が少な過ぎる場合には、創傷の部分を保護しつつ保湿を行って湿潤させる必要がありますが、逆に滲出液が多過ぎる場合には吸水して適正な量に調節する必要がある、ということです。
このことから、外用液やドレッシング材はその基剤の性質を踏まえて、「傷を潤す必要があるのか」、「このくらいで維持するのが良いのか」、あるいは「少し吸水させる必要があるのか」といったことを評価し、それに適した製剤を選ぶ必要があります。このとき役立つのが、外用薬やドレッシング材の基剤に関する知識です。