大人のADHDを知ろう.2-ADHDはどんな風に治療する?
ADHDにはどんな治療薬がある?
ADHDの主な原因は、脳の機能障害とされています。具体的には、脳の前頭葉にある前頭前野(順序立てて行動したり行動を抑制する働きの領域)、側坐核(待つことを司どる領域)、小脳(タイミングなどの時間の感覚)の働きが弱いことなどが指摘されています。
これら脳の領域を活性化させるためには、「ドパミン」という神経伝達物質が必要です。しかし、「ドパミン」が何らかの要因で不足するとこれらの脳の働きが弱まり、それが原因で不注意や多動性、衝動性といった症状が現れる、というのが現在考えられているメカニズムです。そこで、薬物治療では脳内の「ドパミン」の量を増やし、脳の働きを改善する薬が使われます。
現在、日本で用いられているADHDの治療薬は全部で4種類あります。新しい薬もあり、ガイドラインの改訂が追いついていない部分もあるため、薬の特徴を踏まえて、医師が個々の患者さんの症状や状況に合わせて使用しているのが現状です(副作用で「眠くなる」ものと「眠れなくるもの」とがあるなど、かなり特徴に違いがあります)。