ちょっと注意が必要な薬の調剤・服薬指導③~『ヤーズ配合錠』の処方が来たら
『ヤーズ︎配合錠』の処方が来たら…?
『ヤーズ︎配合錠』は女性ホルモン製剤で、卵胞ホルモンの「エチニルエストラジオール」と黄体ホルモンの「ドロスピレノン」を配合した月経困難症の治療薬です。LEP(Low dose Estrogen Progestin:低用量エストロゲン・プロゲスチン配合錠)と呼ばれる婦人科系の治療薬で、「エチニルエストラジオール」を20μg配合する”超低用量ピル”とも言われています。この薬で特に注意したいのは、同じ成分の『ヤーズ︎フレックス配合錠』という、別の薬がある、という点です。
『ヤーズ配合錠』は、実薬が24錠+プラセボ錠が4錠で1シートになっているものです。28日を1周期として、24日間は実薬を服用し、最後の4日間はプラセボ錠を服用することになります。プラセボ錠を用いる最後の4日間はいわば”休薬期間”で、ここでまとめて消退出血を起こすことになります。適応は月経困難症のみです。
『ヤーズフレックス配合錠』は28錠全てが実薬であり、最長で120日間連続で服用することが出来る製剤です。『ヤーズフレックス配合錠』も28日周期で服用することがありますが、その場合は24日間服用したあと4日間休薬、その後また続きのシートの途中から服用する、という飲み方になるので、混乱しないように確認が必要です。適応は子宮内膜症に伴う疼痛・月経困難症・生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整です。