論文を読む際には「比較対照群」に注目しよう~2.食べ比べするイカの産地は同じですか?
前回、唐津で食べた「呼子の新鮮なイカ」がとてつもなく美味しかったことから、「イカが苦手な私でも呼子のイカなら食べられる」という話を紹介しました。・・・が、よく考えたら、あの「イカ」が美味しかったのは、「呼子」のイカだったからなのか、「新鮮」なイカだったからなのか、どちらかわかりません。「その辺で獲れたイカ」でも新鮮だったら食べられるかもしれませんし、逆に「呼子のイカ」だったら新鮮なお刺身じゃなくても食べられるかもしれません。もしかしたら、「呼子」の「新鮮」なイカでなければ食べられないのかもしれません(なんて贅沢なやつだ)。
このとき、「呼子」であることが重要かどうかを調べようと思ったら、「呼子の新鮮なイカ」と「呼子以外の新鮮なイカ」で比べる必要がありますし、「新鮮」であることが重要かどうかを調べようと思ったら、「呼子の新鮮なイカ」と「呼子の新鮮じゃないイカ」で比べる必要があります。つまり、何かを比べようと思ったら、「比べようとしている要素」以外のものはすべて条件を揃えて比較しなければならない、ということです。これもまた論文を読む際に重要な注目ポイントになります。前回に引き続き、「イカ」と「サバ」の食べ比べを行ったこの論文を例に、その重要さを見ていきたいと思います。