薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2023年1月1日 児島 悠史

年始に注意したい!冬の降圧薬の増量・追加に対する服薬指導

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年が明けて最初の定期受診を終えて来局した患者さん、以下のように降圧薬が増量になったり追加になったりしている場合、普通に考えれば「血圧が高くなっている」ことへの対応と考えられます。実際、患者さんにお話をうかがうと、診察室で測定する血圧はいつも125/75mmHgくらいで落ち着いていたものが、先月から少し上がってきて、今回140/86mmHgだったとのこと。そのため医師からも「少し薬の量を増やしましょう」と言われた、ということが確認できました。このとき、薬剤師が服薬指導を行う際には、どんなことに注意すればよいでしょうか。

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POINT①:冬には血圧が高くなる傾向にある

「冬になると血圧が高くなる」という現象は、およそ世界のどの地域でも共通して観察されています。実際、日本の高血圧患者さんでも、冬には夏よりも収縮期血圧が6.7mmHg、拡張期血圧が2.9mmHgほど平均して高くなり、1月中旬から下旬にかけて最も高くなることが確認されています1)。そのため、この程度の変動幅で、しかも他に思い当たる理由がなければ、その血圧上昇は“季節による影響“と考えても良いかもしれません。

POINT②:この季節変動は、治療・服薬・生活に問題ない人でも起こる

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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