年始に注意したい!冬のHbA1c値に対する服薬指導
年が明けて最初の定期受診を終えて来局した2型糖尿病の患者さん。病歴がまだ長くないこともあって色々と積極的に治療に取り組んでおり、お正月休みも食事・運動療法を頑張って継続していたとのこと。その結果、年末年始を挟んでも体重は増えないどころか、むしろ順調に減らし続けられたくらいだったのですが、秋頃から「HbA1c値」が一向に下がらず、「お正月にもあれだけ頑張ったのに・・・」と凄く落ち込んでいるご様子。このとき、薬剤師はどんなことに注意して服薬指導を考えればよいでしょうか。
POINT①:特に冬の休暇は、「体重」が増えやすい
休暇があると飲み過ぎ・食べ過ぎなどが起こりやすく、体重が増加しやすい・・・というのはおよそ万国共通の傾向です1)。特にお正月休みは、気温が低かったり雪が降っていたりするためにあまり外出しない、お祝いムードで普段よりも食事・飲酒の機会が多いなど、様々な要因で糖尿病のコントロールは悪化しやすい状況と言えます。
そんな中、お正月休みを挟んだ前回から体重が増えていない、むしろ順調に減らし続けられているということは、恐らくこの患者さんはお正月休みにも相当に強い意志で食事療法・運動療法を続けていたと考えられます。まずは、そのことに想像力を働かせて、対応を組み立てましょう。
なお、「HbA1c値」は過去120日間(※赤血球の寿命)の血糖値の変動をおよそ反映している値で、「血圧」のようにリアルタイムの状況を反映しているわけではありません。そのため、“年末年始の頑張り”は、「HbA1c値」ではなく「体重」から見えてくるものがあります。