薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2023年3月31日 児島 悠史

【薬剤師のデータ解釈】COVID-19治療薬:エンシトレルビルを例に”スピン”に潜むリスクを解説

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前回の記事で、「エンシトレルビル」の後遺症抑制の効果は「作用メカニズムからの理論上の予想」ではなく、「探索的な評価」によってその傾向が確認されたことによって、より現実的な可能性になったことを解説しました。一方で、まだ「主要評価項目」によって確認された“検証済みの仮説”ではなく、あくまで「探索的な評価」によって見つかった新たな“未検証の仮説”でしかないため、その扱いには注意する必要がある、ということも紹介しました。

ところが、一部メディアでは、もう「効果が確認された」というような表現で報道されていることもあり、国民に大きな誤解を与えている可能性があります。これに対し、薬剤師はどのように警戒をすれば良いのでしょうか。

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「効果が確認された」と報道されることによる弊害

今回のデータは、「エンシトレルビル」に後遺症の抑制効果が「あるかもしれない」と期待させるものであるのは確かです。後遺症は、今後のwithコロナに向かっていく社会において非常に大きな課題となっていますので、ここを解決できる可能性がある薬として、とても期待をしたいところではあります。

しかし、前回の記事で解説した通り、「後遺症抑制の効果がある可能性」が示されただけで、「ある」かどうかはまだ未確定、“これからちゃんと検証してみないことには確定的なことは言えない”という状態です。実際、メーカーの発表資料の中でも、「探索的に評価した結果」や「今後もフォローアップを継続」といった記載もあります。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」。

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