薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2023年4月8日 児島 悠史

服薬指導で活用しやすい新人薬剤師向けの「薬剤クイズ」6選。あなたは何問正解できる?

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服薬指導では、患者さんが安心して薬を使えること、治療に前向きに取り組めるような意識付けを行うことが大切です。そのため、正確な情報を提供するだけでなく、患者さんの不安や疑問に寄り添った表現や言葉選びを考える必要があります。特に、薬剤師が放つ言葉は非常に影響力があるため、余計なことを言って患者さんを不安にさせたり生活を窮屈にさせたりするような事態も避けられるように注意しなければなりません。今回は、そんな服薬指導の際に役立つ知識と、その活用方法を紹介します。

①患者さんからの質問
「血圧を下げる薬を飲んでいるけど、“みかん”もあまり食べない方が良いのかな・・・?」

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考える際に役立つクイズ

『Ca拮抗薬との食べ合わせで低血圧起こさない柑橘類は?』

「グレープフルーツジュース」と降圧薬「Ca拮抗薬」の相互作用は、世間でもよく知られた相互作用です。しかし、たとえば日本で一般的に“みかん”と呼ばれている「温州みかん」では、同じように相互作用を起こすリスクはあるのでしょうか。Ca拮抗薬を服用している患者さんから、“みかん”も避けた方が良いのか尋ねられた際、どう回答するのかを考えてみましょう。

もし、健康被害が考えられるほどの影響があるのであれば避けてもらう必要があるかもしれません。しかし、逆に大して影響がないにもかかわらず、薬剤師が安易に「避けた方が良い」と言ってしまうと、その患者さんは大好物の“みかん”を我慢する生活を強いられたり、場合によっては、これによってビタミンCなどが不足して体調を崩してしまったりする可能性もあります。

薬との相互作用を考える際、特定の食品を「避ける」ことを簡単に提案する薬剤師は多いですが、相互作用の具体的なリスクの程度、さらにその患者さんが特定の食品を避けることのデメリットもしっかりと評価した上で、回答を考える必要があります。

☞応用編.1

「グレープフルーツ」を“ジュース”ではなく“果実”のまま食べた際には、どのくらいの影響があるのかも知っておくと、“果実”の摂取に対しての注意喚起の方法も変わるはずです。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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