薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2023年4月11日 児島 悠史

これを知れば服薬指導が変わる~新人薬剤師が押さえたい外用薬とOTC医薬品に関する薬剤クイズ6選

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クイズで得た知識を、実務にどう役立てるのか。前回に引き続き今回も、服薬指導をアップデートするために役立つ「薬剤クイズ」を紹介します。

①患者さんからの質問
「湿布を貼っていた場所、いつまで日光を避けていたら良いの?」

考える際に役立つクイズ

モーラステープ、光線過敏症を避けるために必要な遮光期間は?

「ケトプロフェン」などのNSAIDsの外用薬を貼ったり塗ったりしていた場所に直射日光が当たると、強いアレルギーを起こすことがあります。この光線過敏症は、薬を使っている間だけでなく、薬を剥がした後もしばらくは起こる可能性があるため、ゲル剤・ローション剤・クリーム剤・パップ剤などを含め、使用後は一定の期間、紫外線に対する注意(例:患部を黒っぽい衣服で覆うなど)が必要とされています。このとき、“具体的な期間”を提示して服薬指導を行うことは、薬剤師の非常に重要な役割になります。

なお、光線過敏症の副作用は「ケトプロフェン」で特に有名ですが、「フルルビプロフェン」や「インドメタシン」、「フェルビナク」などでも同程度で報告があるため、NSAIDsの外用薬全般で注意する必要があります。また、湿布薬は家族や友人間での譲渡が行われやすい薬ですが、こうした不適切な譲渡では光線過敏症への注意喚起も漏れやすいため、特に警戒が必要です。

☞応用編.1

「ケトプロフェン」による光線過敏症の対策として、日焼け止めを使うことも一つの選択肢になりますが、その際、「ケトプロフェン」と交叉感作性を持つ紫外線吸収剤は避ける必要があります。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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