【薬剤師必見】0~3歳の子どもへの薬の飲ませ方。服薬に使用する食品やジュースの例とその注意点とは?
「子どもが薬の味や香りを嫌がって薬を飲んでくれない」という相談は、薬剤師であれば誰もが経験します。この相談に対して、薬剤師は“どうすれば薬を飲めるようになるか”を考えて服薬指導をする必要がありますが、このときまず重要になるのが、年齢に合わせた工夫を考える必要がある、という点です。
当然、対象が1歳未満の乳児なのか、2歳くらいのイヤイヤ期の子どもなのか、大人の話を聞けるようになってきた4歳くらいの子どもなのか、あるいは6歳以上の小学生なのかによって、どういった工夫が役立つかは全く異なるからです。
6ヶ月未満~口の中に薬が入ればだいたい飲んでくれる時期
まだ離乳食も始まっていない6ヶ月未満の乳児は、基本的に口の中に入ったものはなんでも飲み込もうとします。これは、小さなものを誤飲してしまうリスクにもなりますが、逆に服薬という観点からは、“口の中に薬が入る”ことさえクリアできれば、その後は比較的すんなりと飲み込んでくれるという楽な要素でもあります。
そのため、この時期の子どもに対しては、いかに薬を口の中へ入れるかを考えるのが一つの解決策になります。ただし、まだ口腔も小さく、嚥下能力も弱いため、ゆっくりと飲み込める量とペースを守って、注意深く少しずつ扱う必要があります。具体的には、「スポイト」を使って少しずつ口に薬を流し込んだり、あるいは少量の水で薬を練って上顎や頬の内側に塗り付けたり(※舌を避ける)といった方法が挙げられます。
また、一般的に子どもの薬は「食後」で処方されることが多いですが、授乳後でお腹がいっぱいの状態ではなかなか薬を飲んでもらえないこともあります。そういった場合には、食後でも食前でも有効性や安全性にほとんど影響がない薬であることを確認した上で、「食前(授乳前)」に服用するように伝えることも、ひとつの手です。
(注意点)
まだ離乳食も始まっていない6ヶ月未満の子どもに対して、紋切り型のように「アイスクリームやジュースに混ぜて」と服薬指導をしてしまう薬剤師もいます。たとえば果物ジュースに関しても、1歳未満の子どもでは糖分過多や虫歯リスクなどの観点から“摂取しない”よう提唱されている1)ことなどを前提に、その提案は妥当なのかきちんと考える必要があります。