「薬物乱用防止教室」.2~学校薬剤師は実際にどんな話をしているの?
前編では、「薬物乱用防止教室」がなぜ重要なのか、薬剤師がどのように関わっていく必要があるのか、についてまとめましたが、後編の今回は、実際に私が学校薬剤師として、どんな感じで「薬物乱用防止教室」を行っているか、紹介したいと思います。学校薬剤師に興味のある方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
①タバコ~“ゲートウェイドラッグ”となりやすいキーアイテム
小学校で開催する「薬物乱用防止教室」では、タバコに関してのテーマには特に力を入れて行っています。青少年の喫煙防止は、将来の生活習慣病などの長期にわたる健康問題の予防に繋がります。さらに、近年は加熱式タバコのように手軽に始めやすい商品が出てきていることから、青少年のタバコは他の薬物の入り口(ゲートウェイドラッグ)となりやすく、薬物乱用防止として重要な役割も果たすからです。
小学生は、45分間も話を聞いているだけでは飽きてしまうため、動画を見てもらったり、クイズに答えてもらったり、模型に触ってもらったり(図1)と、体験型の授業を行うようにしています。
図1.著者が小学生に模型を手渡している場面
なお、内容としては、タバコの「健康への影響」、「受動喫煙」というものへの意識、「ニコチン依存症」の存在、さらに「タバコを吸わないことのメリット」など、小学生にでもわかりやすい基本的なものを中心にお話をしています。