薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2023年6月7日 児島 悠史

日焼け止め、ほとんどの人は必要量の半分も使えていない?~“適量”と“重ね塗り”の重要性

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「日焼け止め」、どのくらい塗れば良い?~性能通りの効果を発揮するための必要量と、顔への適正量

「日焼け止め」の商品には、紫外線に対する防御性能として「PA」や「SPF」といった指標が記載されています。そのため、これらの指標をもとに、季節やシチュエーションに合わせた性能のものを選ぶのが基本になります。

※日焼け止めの性能の表記

  • PA:主に色素沈着やシワの原因となるUV-Aに対する防御効果。「+」から「++++」の4段階で表記される。
  • SPF:主に炎症の原因となるUV-Bに対する防御効果。「10」から「50+」の6段階で表記される。

しかし、こうした商品に記載された性能は、“十分な量の薬剤を塗布した際に得られる効果”である、という点に注意が必要です。保湿剤やステロイド外用薬なども含め、ほとんどの塗り薬に共通した話ですが、薬をあまり薄く延ばして使っていると、薬本来の効果は発揮されません。これは「日焼け止め」でも同じです。いくら「PA++++」や「SPF50+」といった高性能の日焼け止めを使っていても、薄く延ばして使っていると、実際に得られる防御効果は「PA+」や「SPF10」程度になってしまう、なんてことも起こります。そのため、「日焼け止め」もしっかりと適切な量を塗布することが重要になります。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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