薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2023年6月11日 児島 悠史

驚愕の感染力を持つ「麻疹(はしか)」は何が怖い?~薬剤師も知っておきたい5つの特徴

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「麻疹(はしか)」は、普通の風邪と何が違う?

「麻疹(はしか)」は、麻疹ウイルス(Paramyxovirus科 Morbillivirus属)によって引き起こされる感染症のことです。ウイルス性の感染症という分類では、いわゆる“風邪”と同じですが、以下のような点において“風邪”とは大きくリスクが異なります。そのため通常とは異なる特別な警戒が必要です。

1.麻疹は感染力が極めて高い

【特集】「麻疹(はしか)」の感染拡大に備えよう~薬剤師が知っておきたいポイントの画像

「麻疹」の最大の特徴は、その極めて高い感染力です。飛沫感染・接触感染だけでなく、空気感染でも広がるため、免疫を持たない人の場合、感染者と同じ部屋に居るだけでもほぼ確実に感染・発症してしまいます。風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症のように、手洗いやうがい・マスク着用といった対策だけでは基本的にリスクを軽減することはできない、と考える必要があります。

特に、免疫のない集団では1人の患者から12~18人に感染が広がる1)とされ、これは季節性インフルエンザの1.4~4人と比べても、4~10倍以上の感染力と言えます。

2.医療の発達した先進国でも、麻疹で1,000人に1人が死亡する

「麻疹」に罹ると、発展途上国や適切な医療が受けられない地域では100人に3~6人、医療の発達した先進国であっても500~1,000人に1人は死亡する、とされています。日本は、世界でも最も医療や公衆衛生が発達した国の1つで、国民の栄養状態も良いと言えますが、それでも決して“ただの風邪”で済むような生易しい感染症ではありません。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。
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