薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2023年7月1日 児島 悠史

本格的なアウトドア・レジャーで頼りになる虫除け「ディート」の上手な使い方と指導のポイント

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ドラッグストア等で販売されている「蚊」対策に用いられる商品は、主に「ディート」、「イカリジン」、「ハーブ類」の3種があります。それぞれがもつ個性的な長所・短所を踏まえて、どんな場面ではどの製剤を選ぶのが良いのか、具体的なシチュエーションを参考にしながら、使い分けの例を考えます。

シチュエーション:本格的な屋外でのレジャー活動に使うものを相談されたとき

日本には、基本的にそこまで強烈な毒を持った虫は生息していません。しかし、だからといって無防備に山や森などに入っていくと、思わぬ虫の襲撃を受けてひどい目に遭うことがあります。そのため、屋外でのレジャー活動をする際には、虫除けを用意しておくことが推奨されます。

一般的に、キャンプや登山では「蚊」にだけ注意していれば良いというわけにはいきません。「蚊」以外にも、人を刺したり血を吸ったりする虫は意外とたくさん居るからです。そのため、屋外での本格的なレジャー活動、特にキャンプや登山などに使うものを相談された場合には、“強力な効果”を重視して選ぶのが基本になります。

このとき選択肢になるのが、「ディート」の製剤です。「ディート」は、もともとはアメリカ軍が“ジャングルでの戦闘時”に役立つものとして開発した虫除けのため、「蚊」だけでなくブヨ、アブ、ノミ、サシバエ、マダニ、ヤマビルなど、山や河などで遭遇する可能性がある様々な虫に対して効果が確認されており、まさに本格的な屋外でのレジャー活動にはうってつけの製剤になります。

☞薬剤師としてのチェックポイント1:「濃度」

「ディート」の製剤を扱う際は、まず「濃度」に注意が必要です。「ディート」は高濃度になればなるほど虫除けの効果が強力になる……というわけではありませんが、「濃度」は効き目の持続時間に大きく影響します。特に20%以上の高濃度製剤では、およそ6~8時間、最長で効果が10時間持続する1)ことから、長時間のアウトドア活動の際には適しています。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。
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