「子どもの薬の誤飲事故」を防ぐために~孫が居るときに注意したい3つの行動
前回の記事では、孫を迎える前には「小さく切り離した薬を床に落としたりしていないか」、「いつものように薬を食卓やテーブルの上に放置していないか」、「お菓子や食品と同じ場所に薬を置いていないか」といったことを見直す必要があることを紹介しました。
しかし、子どもの誤飲事故の防止にはこうした事前準備だけで十分かというと、そういうわけでもありません。高齢者にとっては普段通りの行動が、子どもの誤飲リスクに繋がる、といった落とし穴は色々なところに潜んでいます。今回は、実際に孫を家に迎えた状況でどのような点に注意すれば良いのか、薬剤師からも注意喚起をしやすい具体的なポイントを紹介します。
よくあるリスク1 薬の入っているカバンが、ソファなどに置かれている
何かとよく薬を使う高齢者の場合、定期薬や頓服薬などをカバンにいくつか入れてあることも珍しくありません。一方、外出時に孫の相手をしている際には、「その同じカバンから孫用のお菓子や飲み物が出てくる」こともよくあるはずです。すると、そのカバンは子どもにとって“自分のお菓子が出てくる魅力的なカバン”として認識されることになります。
普段よく使うカバンは、家に帰ってきても毎回押し入れの奥などに片付けることはせず、椅子やソファなどに無造作に置いておくこともあると思いますが、そのカバンが子どもの手の届く場所にあれば、子ども自分で「さっきもらったお菓子を探そう」とカバンの中身を漁り、間違って薬を見つけてしまう可能性があります。
…かといって、いつも愛用しているカバンから薬を全て出してしまうと、自分の服薬管理に支障を来たす恐れもありますし、特に頓服薬などは手放せないケースも多くあります。そのため、少し面倒な話ではありますが、孫が居る間はいつも愛用しているカバンであっても、ソファや椅子に放置せず、毎回必ず手の届かない場所へ片付けるようにした方が無難です。
指導のポイント
☞孫が来ている間は、普段使っているカバンもソファや椅子に放置せず、手の届かないところへ片付ける