新型コロナの抗ウイルス薬、1回の治療にかかる薬代はいくら?
新型コロナの治療薬、「自己負担」になるとどのくらいの値段になる?
これまで、新型コロナウイルス感染症の治療にかかる費用は全額が公費によって賄われてきました。そのため患者さんにとっては、どんな薬が処方されていても薬局窓口で会計をする必要がなく、「薬の値段」を気にする機会はありませんでした。しかし、2023年5月に、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に引き下げられたことにより、こうした公費負担も終わることになります。薬代については、経過措置として9月末までは公費負担の対応が続けられていましたが、2023年10月からは所得に応じて3,000~9,000 円、2024 年4 月以降は他の疾患と同様に1~3割の窓口負担が発生するようになる予定です。
このとき注意したいのが、新型コロナウイルス感染症の治療薬、特に「抗ウイルス薬」には非常に高額なものが多い、という点です。たとえば、季節性インフルエンザでも「抗ウイルス薬」を使うことがありますが、新型コロナウイルス感染症に対する「抗ウイルス薬」と比べると、成人の通常治療1回にかかる薬代は大きく異なります(下表)。
※季節性インフルエンザの「抗ウイルス薬」の値段
代表的な薬 | 成人の通常量にかかる薬代 | 計算式 |
タミフル (オセルタミビル) |
2,302円 ⇒3割負担で690円程度 |
75mgカプセル(230.20) ⇒1cap(230.20)×2回×5日 |
リレンザ (ザナミビル) |
2,554円 ⇒3割負担で770円程度 |
1ブリスター(127.7) ⇒2ブリスター(255.4)×2回×5日 |
イナビル (ラニナミビル) |
4,359円 ⇒3割負担で1,300円程度 |
1キット(2179.5) ⇒2キット(4359.0)×1回 |
ゾフルーザ (バロキサビル) |
4,877.6円 ⇒3割負担で1,460円程度 |
20mg錠(2438.8) ⇒2錠(4877.6)×1回 |