薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2023年10月5日 児島 悠史

【ダウンロードデータ付き】「漢方薬」の名前は入力せず”呼び寄せる”

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漢方薬を「番号」で辞書登録する

前回の記事で、漢方薬の名称がきちんと変換されるように辞書登録する方法を紹介しました。しかし、漢方薬はそもそも名前が長く複雑なため、「読み」を正確にひらがな入力すること自体が大きなストレスでもあります。この問題を解決する1つの方法として、漢方薬は「製剤番号でも変換できる」ように辞書登録しておく、というものがあります。

具体的には、「1」で「葛根湯」、「19」で「小青竜湯」、「29」で「麦門冬湯」・・・といった変換ができるように登録をするわけですが、これをしておくと、数文字タイピングするだけで正確な漢方薬の製剤名を呼び出すことができるようになります。また、患者さんから「80番の漢方薬」と馴染みのない製剤番号を言われたときも、パソコンでちょっと変換して製剤名を確認する、なんてこともできるようになります。

ただし、この方法で辞書登録をする際にはいくつか注意したいポイントがあります。

1.番号だけで辞書登録すると、関係ない場面でも数字が「漢方薬」の名前に変換されてしまう

ここで安易に「1」という“読み”で「葛根湯」という“単語”を辞書登録してしまうと、かなり困ったことが起こります。それは、「1日1回」と入力したい場面で「1日葛根湯回」のように変換されてしまう、といったように、普通に「1」という数字を扱いたいときにまで「葛根湯」と変換されてしまうようになる、ということです。これでは、むしろ誤変換が増えて薬歴入力には余計な時間がかかってしまうことになります。

【ダウンロードデータ付き】「漢方薬」の名前は入力せず「呼び寄せる」の画像1

こうしたトラブルを避けるためには、たとえば「@」のような、“普段の薬歴入力では基本的に使うことのない記号”を頭につけた状態で辞書登録をする方法が挙げられます。この登録方法であれば、「@1」と「@」を頭につけて入力しない限り「葛根湯」とは変換されないため、普通に「1」と入力している場面で「葛根湯」と誤変換されるトラブルは完全に避けることができます。

この「@+製剤番号」で漢方薬の名称に変換できるように整えた辞書データが、下記からダウンロードできます(前回記事で紹介した方法と同じように、パソコンの辞書にインポートすればすぐに使えるようになります)。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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