薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2023年10月25日 児島 悠史

クイズで押さえる、高血圧治療に用いる「配合剤」の注意点

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前回の記事で、高血圧治療において「配合剤」は服薬アドヒアランスの維持に有用であることを紹介しました。しかし、その一方で「配合剤」はパッと見で有効成分やその配合量がわかりにくく、思い込みで扱っていると思わぬところで大きなミスを招くことになり兼ねません。

そこで今回は、クイズ形式で高血圧治療の「配合剤」の注意点を紹介します。「配合剤」を普段よく扱っている人は復習のため、あまり扱った経験のない人は今後のために、ぜひ全問正解に挑戦してみてください。

☞問1:新型コロナの治療に「パキロビッドパック」を処方された患者さんのお薬手帳に、『レザルタス配合錠』が定期薬として記載されていた場合、どういう問題があるか?

新型コロナウイルス感染症の治療に用いる「パキロビッドパック」は、抗ウイルス薬「ニルマトレルビル」と「リトナビル」の製剤ですが、この「リトナビル」にはCYP3A4を強力に阻害する作用があります。そのため、CYP3A4が代謝に関わる医薬品を服用している患者さんでは、複雑な相互作用を起こすリスクがあります。

高血圧治療に用いられる配合剤では、Ca拮抗薬としては相互作用リスクの低い「アムロジピン」が配合されていることがほとんどですが、一部の製剤では別のCa拮抗薬が使われています。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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