「二日酔い」の薬を相談されたら?~効果を期待できる薬や商品と、その提案方法
忘年会のシーズンになると、普段はあまりお酒を飲まない人でも付き合いでお酒を飲むことが増えるため、「二日酔い」になってしまう人が増えます。「体調不良のときは仕事を休んで家で療養しよう」という意識が高まっている今の時代でも、「二日酔いなので休みます」というのはさすがに憚られるもの。セルフメディケーションでうまく対処しながら仕事に行かなければならないというケースは多いはずです。
そんな場面でも、薬剤師として的確なアドバイス・商品提案ができるように、「二日酔い」についての知識をアップデートしておきましょう(※自分が二日酔いになったときにも役立ちます)。
POINT①:「二日酔い」への基本方針
お酒を飲み過ぎた翌日に起こる「二日酔い」では、頭痛や吐き気、下痢、腹痛、疲労といった不快な症状1)のほか、頭の働きも鈍く(空間認識能力や業務遂行能力が著しく低下2))なることが知られています。これは、体に「アルコール」が残っているからではなく、アルコールの代謝物であるアルデヒドが蓄積したり、体内のホルモンバランスが崩れたり、他にも睡眠不足や疲労、脱水・低血糖状態など3)が複雑に関係し合って起きていると考えられています。
しかし、よほどのことがない限り、「二日酔い」は時間経過とともに自然と治ってきます。朝には、痛む頭を抱えながら「二度とお酒を飲み過ぎるものか」と強く誓っておきながら、夜にはケロっと元気になってまたお酒を飲もうとしている、なんてこともよくあるくらいです。
つまり、「二日酔い」への対処を考える際には、たくさんある原因に対して1つずつ対応しながら、時間が経って元気になるまでの時間を耐え忍ぶ、どうしても我慢できない症状に対しては薬を使うことも考慮する・・・・・・これが基本的な方針になります。具体的には、水分や電解質、糖分の補給や休息といったことが“第一選択”で、初手からいきなり薬を使うのが最善手というわけではない、という点に注意が必要です。