薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2023年12月27日 ヤクイノックス

新型コロナ「抗原検査キット」、医療用・一般用・研究用の精度と“偽陰性”に対する注意

メインの画像1

みなさんはじめまして、私はチェーン薬局で勤務しているヤクイノックスといいます。

新型コロナウイルスの「抗原検査キット」を薬局でも販売できるようになって、はや二年が経過しました。薬局やドラッグストアに勤務している薬剤師の方でしたら、一度は「抗原検査キット」について販売したり相談を受けたりしたこともあるのではないでしょうか?

そんな「抗原検査キット」ですが、その扱い方や性能について、まだまだ世間では正確に理解されていないことが多いようです。そこで今回は、薬剤師として押さえておきたい、「抗原検査キット」に関する基本をおさらいしたいと思います。

ポイント1:「抗原検査」の精度について

「抗原検査」は、その精度の問題から、実際には新型コロナウイルスに感染している人でも“陰性”という結果になってしまう(偽陰性)ことが少なくありません。そのため、“陰性”という結果が得られても“感染していない”ことの証明にはなりません。

ところが、検査で陰性=感染していないことを確認できた、と勘違いした人が出歩き、感染を拡大させてしまった、というケースはあちこちで起きています。実際、2023年9月に公表された「医薬品販売制度実態把握調査」によると、「抗原検査」を“陰性証明”、つまり新型コロナウイルスに感染していないことを確認する手段としては用いることができない、ときちんと薬局で説明されていたのは3割程度だった、とされています。年末から年始にかけて帰省する方も多く、抗原検査キットの需要が高まることが予想されます。「抗原検査」のキットを販売している薬剤師は、まずはこの偽陰性の可能性についてしっかりと説明する必要があります。

また、偽陰性とは異なりますが、抗原検査キットの陽性の線が薄いため、陰性と勘違いしてしまっている事例も多いようです。

偽陰性はなぜ起こる?

この偽陰性が生じる主な理由は以下の通りです。

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

こちらもおすすめ

ヤクイノックスの画像

ヤクイノックス
ヤクイノックス

チェーン薬局に勤務する、競馬が大好きな中堅薬剤師です。現場以外では薬剤師教育にも携わっています。 薬局に勤務する薬剤師に知っておいてほしい情報を発信していきたいと思っています、よろしくお願いします!
QRコード 薬キャリLINE

「薬剤師タイプ診断」や「薬剤師国家試験クイズ」薬剤師の最新情報や参考になる情報を配信中!右のQRコードから登録をおねがいします!

キーワード一覧

薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

この記事の関連記事

アクセス数ランキング

新着一覧

25万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

調剤報酬改定 薬物療法・作用機序 服薬指導 医療過誤・ヒヤリハット 国家試験 ライフ・雑学 OTC医薬品 医療クイズ 診療報酬改定 ebm