薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2024年1月14日 児島 悠史

おすすめ風邪薬の選び方.1~カフェインに期待できる効果と睡眠への悪影響

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行もあって、日本人の“風邪”に対する認識は大きく変わりました。これまでは、風邪をひいても薬を飲んで仕事に行くことが美徳とされていたため、強引に風邪の症状を抑え込んでしまうような配合の商品が中心でした。

しかし、新型コロナウイルス感染症の流行で、「体調不良のときは家で休む」ことが重要視されるようになり、風邪薬の目的も「症状を強引に抑えて仕事に行けるようにする」ものから、「自宅でゆっくりと療養できるようにする」ものへと少し変わりつつあります。そこで今回は、このコロナ禍以降の新しい価値観、「自宅でゆっくりと療養する」ことを目的にした際に重要になる、“眠りを妨げることのない”風邪薬の選び方のポイントを紹介します。

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風邪薬には、なぜ「カフェイン」が配合されているのか?

現在、OTC医薬品として200種以上の風邪薬(総合感冒薬)が販売されていますが、そのうち3/4近くには「カフェイン」が含まれています。つまり、風邪薬と言えば「カフェイン」が入っているものの方がポピュラーです。一般的に、この「カフェイン」は“頭の重い感じをやわらげる”や“頭痛をやわらげる”といったように、頭の鈍重感や痛みの症状を和らげる目的で配合されています。

確かに、「カフェイン」は疲労や眠気を感じにくくさせる作用がある1)ため、風邪で低下しているパフォーマンスを改善したり2)、あるいは緊張型頭痛や片頭痛に対する解熱鎮痛薬の効果を補助したりする3)、といった薬効が確認されています。そのため、風邪で頭がぼんやりしている、風邪薬に含まれている抗ヒスタミン薬で眠気が強く現れる、頭痛がする、といった症状に困っている人にとって、「カフェイン」は有用な可能性があります。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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