薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2024年2月14日 児島 悠史

いまさら聞けない「ステロイド外用薬」~混合したら弱くなる?全身性の副作用はない?子どもは弱いランクを使うべき?

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Q.1:Ⅰ群やⅡ群の「ステロイド外用薬」でも、保湿剤と混ぜたら弱くなる?

アトピー性皮膚炎の治療などでは、「ステロイド外用薬」は保湿剤と併用することで効果が高まります1)が、重ね塗りが大変な場合はこの2剤を“混合”して調剤することもあります。このとき、保湿剤と混ぜると「ステロイド外用薬」の作用はそれだけ弱くなる、と考えてしまいがちですが、2~4倍程度に希釈した程度ではステロイドの作用の強さはほとんど変わらないことがわかっています2)

そのため、「「Ⅰ群(Strongest)」の薬を保湿剤で4倍に希釈したので、「Ⅲ群(Strong)」くらいの薬として扱おう」といったことはできません。混合前のステロイドのランクのまま扱う必要があります。

Q.2:外用薬なので、Ⅰ群やⅡ群の薬であっても全身性の副作用は起こらない?

「ステロイド外用薬」は皮膚でだけしっかりと作用し、

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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