「指導箋」でSGLT2阻害薬の服薬指導が変わる.2~性器/尿路感染症・シックデイの説明
第一回の前回は日本腎臓病薬物療法学会の「SGLT2阻害薬患者指導箋 (JSNP版)」を用いて、【低血糖】【脱水/水分補給】【ケトアシドーシス】の注意事項について確認しました。第一回を読んでいない方は先に第一回から読み進めるとよいでしょう。
第二回の今回は【性器/尿路感染症】【シックデイ】【その他】の注意事項について確認していきたいと思います。
「性器/尿路感染症」に対する注意喚起が、こう変わる
【性器/尿路感染症に特に注意すべき背景疾患】
- 1型糖尿病患者
- 2型糖尿病患者
【性器/尿路感染症指導時の注意点】
- 原疾患(特に糖尿病)自体が感染症のリスクであることを理解いただくこと
- こまめな水分摂取や陰部を清潔に保つ必要性を理解いただくこと
SGLT2阻害薬は尿中の糖濃度を上昇させるため、微生物が繁殖しやすい環境になることで性器/尿路感染症のリスク因子となることが懸念されていました。各製薬会社の説明書でも注意喚起がなされており、メタアナリシスでも【性器】感染症は増加することが示されています1)。糖尿病患者や女性、性器感染症の既往がある患者では特に注意が必要2.3)と考えられますので、こまめな水分摂取や陰部を清潔に保つよう指導することが必要4.5)です。
一般的に性器感染症は