新人薬剤師が気を付けたい調剤のポイント.1~似た名前の薬の間違い
現在、医療用医薬品として薬価基準に収載されている医薬品は16,000以上あります。先発医薬品はブランド名、後発医薬品は成分名とメーカー名で命名されていますが、その中には非常に紛らわしい組み合わせもたくさんあります。薬の名前の一部分しか見ていなかったり、薬のイメージや雰囲気だけで調剤したりしていると、早とちりして別の薬を調剤してしまうことに繋がります。人間が関わっている以上、ミスを0にすることは不可能ですが、「そんな似た名前の薬があるとは知らなかった」という理由で起こる調剤過誤については、「似た名前の薬があるという事実を知る」ことで確実に防ぐことができます。
そこで今回は、新人が特に気を付けたい「薬の名前」をテーマに、世の中にはどんな“間違いやすい薬の名前”があるのか、を具体的に紹介したいと思います。“処方箋の通りに素早く調剤できること”は、新人薬剤師が最初に目指すマイルストーンの1つですので、ぜひ知っておいてもらえたらと思います。
紛らわしい薬①~販売名の「頭文字」が2文字以上同じ
販売名の頭文字が2文字以上同じ薬の組み合わせは、調剤間違いを起こしやすいものの代表例です。というのも、「頭文字が2文字以上共通している薬なんて、そうたくさんあるわけないだろう」と思っていると、“頭文字2文字”しか見ずに調剤をしてしまうからです。
しかし、実際には「頭文字が2文字以上同じ薬の組み合わせ」は結構たくさんあります(表1)。薬効分類が同じものは似たような名前になることも多いですが、