「地域支援体制加算」の算定に必要!「アフターピル(緊急避妊薬)」、どんな薬?
- 「アフターピル(緊急避妊薬)」の使い方と効果
- 「避妊が不十分」には様々な背景がある
- アフターピル(緊急避妊薬)は「性と生殖に関する健康と権利」のひとつである
- 「地域支援体制加算」算定要件の追加で薬局に望まれるのは、地域住民の健康の保持増進に寄与すること
2024年度の診療報酬改訂にて「地域支援体制加算」の施設基準要件にも関わることになったアフターピル(緊急避妊薬)。アフターピル(緊急避妊薬)を必要としている人は多くいますが、薬剤について十分に理解は出来ているでしょうか?アフターピル(緊急避妊薬)とはどんな薬なのか、また、備蓄と適切な対応から薬局に求められていることについて解説します。
「地域支援体制加算」の算定要件に追加された「アフターピル(緊急避妊薬)」
令和6年度の調剤報酬改定において、地域支援体制加算の施設基準要件に「アフターピル(緊急避妊薬)」に関する条件が組み込まれました1)。
(11)地域医療に関連する取り組みの実施として以下を満たすこと。
ウ.緊急避妊薬を備蓄するとともに、当該医薬品を必要とする者に対する相談について適切に応需・対応し、調剤を行う体制を整備していること。
なお、オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤等の対応も適切に行えるようにするため 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を踏まえた緊急避妊に係る診療の提供体制整 備に関する薬剤師の研修について(依頼)」(令和2年1月17日医薬・生活局総務課⻑通知) に基づく緊急避妊薬を調剤する薬剤師
(保医発0305第6号 令和6年3月5日
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 第92 地域支援体制加算 より)
ここで求められているのは、まず「アフターピル(緊急避妊薬)の備蓄」です。そしてそれと共に「相談に対応可能であること」「調剤し供給できること」です。
さらにオンライン診療に伴うアフターピル(緊急避妊薬)の調剤についても対応ができるよう研修を受講しておくことが望ましいとされています。
「アフターピル(緊急避妊薬)」とはどんな薬⁉
現在、アフターピル(緊急避妊薬)として承認されているのは先発医薬品の「ノルレボ®︎錠1.5mg」と後発医薬品の「レボノルゲストレル錠1.5mg「F」」です。
どちらも有効成分は「レボノルゲストレル」で、1回1錠を経口投与して用います。
POINT1:アフターピル(緊急避妊薬)を使う目的と使い方
アフターピル(緊急避妊薬)…予期せぬ妊娠、望まない妊娠を防ぐため、避妊が不十分な性交があった時から72時間以内に女性が緊急的に服用するもの。
アフターピル(緊急避妊薬)の主な作用は「排卵を遅らせること」とされていますが、排卵時期は体調やストレスなどによってもズレることがあり、また一般的に 100%妊娠しない と言える時期もないため、予期せぬ“ ”妊娠や望まない妊娠をする恐れがあるタイミングでは服用することになります。なお、その際には最終月経などの情報から 既に妊娠している 可能性がないか、は確認しておく必要があります。
アフターピル(緊急避妊薬)を服用した後は性交を控えるか、性交を控えることが難しい場合には確実な避妊方法を実施することが必要となります。またアフターピル(緊急避妊薬)を服用した場合には、月経が予定日よりも数日遅れる可能性も考えられます。服用後3週間以内に月経が来ない場合や妊娠が否定できない場合には、産婦人科の受診が必要となります。
月経予定日付近で出血が起きた場合でも、子宮外妊娠などの可能性が考えられるため産婦人科を受診し、妊娠の有無を確認することが望ましいとされています。