併用禁忌クイズ①~「遭遇頻度の高い併用禁忌」はどれだ?
薬剤師が処方監査を行う際、絶対に見逃すわけにはいかないのが「禁忌」の項目ですが、この「禁忌」には“意外なもの”もたくさんあります。「知らなかった」で見逃してしまうことがないよう、日々の業務で出会いやすい、気づきにくい禁忌をクイズ形式で確認しましょう。第1回の今回は、特定の診療科・疾患を持つ患者、年齢層で特に遭遇しやすい“併用禁忌”です。
ヒヤリ・ハット事例で最も多い“併用禁忌”とは?
抗菌薬「クラリスロマイシン」と併用禁忌の睡眠薬は?
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エスゾピクロン
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ゾルピデム
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スボレキサント
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レンボレキサント
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ラメルテオン
正解と解説
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抗菌薬「クラリスロマイシン」はCYP3A4を強力に阻害するため、多くの薬と併用禁忌に指定されています。中でも、「クラリスロマイシン」と「スボレキサント(C)」との併用禁忌1)は、2022年の薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業において最も頻発していたヒヤリ・ハット事例として報告されており2)、見落としやすい併用禁忌の代表と言えます。
なお、同じオレキシン受容体拮抗薬でも「レンボレキサント(D)」は、「クラリスロマイシン」と併用禁忌ではありません。しかし、「レンボレキサント」も少なからず影響は受けることから、もし「クラリスロマイシン」のようなCYP3A4を強力に阻害する薬と併用する場合には、1回量を2.5mgに減量するよう注意喚起されています3)。
ちなみに、「ラメルテオン(E)」はSSRIの「フルボキサミン」と併用禁忌である4)、ということも、よく見落とされがちです。
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