併用禁忌クイズ②~「禁忌だと気づきにくい併用禁忌」を見逃さない
薬剤師が処方監査を行う際、絶対に見逃すわけにはいかないのが「禁忌」の項目ですが、この「禁忌」には“意外なもの”もたくさんあります。「知らなかった」で見逃してしまうことがないよう、日々の業務で出あいやすい、気づきにくい禁忌をクイズ形式で確認しましょう。第2回の今回は、そもそも“併用禁忌”であることに気づきにくい組み合わせから出題します。
非常に危険!高尿酸血症の治療薬で見落としやすい併用禁忌
免疫抑制薬「アザチオプリン」を使っている人に“禁忌”の、高尿酸血症治療薬は?
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アロプリノール
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フェブキソスタット
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プロベネシド
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ベンズブロマトン
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ドチヌラド
正解と解説
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免疫抑制薬の「アザチオプリン」や「メルカプトプリン」と、高尿酸血症治療薬の「(B)フェブキソスタット」や「トピロキソスタット」は併用禁忌です1)。
「フェブキソスタット」や「トピロキソスタット」はキサンチンオキシダーゼ阻害作用を持ちますが、この作用はメルカプトプリンの代謝を遅延させ、血中濃度を上昇させることになるからです。つまり、この相互作用では免疫抑制剤による骨髄抑制など、重篤な副作用を増強する恐れがある2)、ということです。
高尿酸血症は、高血圧や糖尿病などと比べると大きく生命に関わるわけではなく、また薬で低血圧や低血糖を起こすわけでもないことから、そこまで強く警戒されずに使われる傾向にありますが、この相互作用リスクは非常に危険なため油断は禁物です。
なお、「アロプリノール」と「アザチオプリン」は併用禁忌ではありませんが、この2つの薬の併用でも重度の貧血を起こした事例が報告されています3,4)。「アロプリノール」が禁忌に指定されていないのは、併用時には「アザチオプリン」の用量を1/3~1/4に減量する、という具体的な目安があるからであって、併用した際のリスクが低いからではない、という点には注意が必要です。
配合剤にも要注意!“相互作用リスクの高い成分”とは?
『ゾコーバ(エンシトレルビル)』と併用禁忌の配合剤は?