【薬剤師も要チェック】「帯状疱疹のワクチン」、どっちを選ぶ?②~値段や副反応の比較
- 「生ワクチン(ビケン)」は7,000~8,000円で接種できる
- 「不活化ワクチン(シングリックス)」は2回接種で40,000円程度かかる
- 「生ワクチン(ビケン)」の方が副反応は少なく、仕事などに影響しにくい
前回の前編では、帯状疱疹のワクチンは「生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)」よりも「不活化ワクチン(シングリックス)」の方が発症予防効果とその持続性、さらに帯状疱疹後神経痛の抑制効果も明らかに大きいことを紹介しました。では、全ての人が「不活化ワクチン(シングリックス)」を選ぶのが良いかというと、必ずしもそうとは限りません。
後編の今回では、どんな状況のどんな人であれば「生ワクチン(ビケン)」も良い選択肢になるのか、特に「値段」や「副反応」の観点から少し深堀りしてみます。
押さえておきたいポイント①:「生ワクチン(ビケン)」は、かなり安価
「不活化ワクチン(シングリックス)」は高い効果を期待できるワクチンですが、1回あたり20,000円ほどかかります。
このワクチンは2回の接種が必要であること、さらに現在のところ全額自己負担が基本のため、接種を完了するには40,000円ほどの費用がかかることになります。つまり、夫婦で「不活化ワクチン(シングリックス)」を接種しようとすると、合計で80,000円もかかる計算になり、これは気軽に接種できる金額とは言えません。
一方で、「生ワクチン(ビケン)」は1回7,000~8,000円程度で接種が完了するため、かかる費用は1/5に抑えることができます。
接種回数 | 1回あたりの値段 | 1人が接種完了までにかかる費用 | |
生ワクチン (ビケン) |
1回 | 7,000~8,000円/回 | 7,000~8,000円 |
不活化ワクチン (シングリックス) |
2回 | 20,000円/回 | 40,000円 |
このことから、「ワクチン接種に1人40,000円も出す余裕がない」という場合には、「生ワクチン(ビケン)」を選ぶのも合理的な判断になります。
※定期接種化や補助金制度
帯状疱疹のワクチンにかかる費用ついては、いま厚生労働省でも補助金を出す方向で調整を進めていますが、対象となる年齢や額はまだ不透明です。現時点でも、費用の一部を公費負担している自治体もあるため、このあたりの情報にも注意しておく必要があります。
押さえておきたいポイント②:「生ワクチン(ビケン)」は、副反応が少なめ
「生ワクチン(ビケン)」と「不活化ワクチン(シングリックス)」は、どちらも重篤なリスクは確認されておらず、安全性の確認されたワクチンと言えますが、副反応の現れ方には少し差があります。