「ハイリスク加算」クイズ(初級編)~用法・用量や投与期間で見分けたい薬
「特定薬剤管理指導加算1」は、“特に安全管理が必要な医薬品”として定められた医薬品を調剤し、これに関して必要な服薬指導を行った際に算定できる加算です。
俗に“ハイリスク加算”と呼ばれるこの加算は、算定できる薬・算定できない薬が明確に決められているほか、同じ薬であっても“使い方”や“処方目的”によっても算定の可否が変わることから、薬剤師にとっても判断に迷うことが多いものと思われます。
そこで今回は、この“ハイリスク加算”の算定可否をおさらいできるクイズを【初級】【中級】【上級】の3つ用意しました。第1回は、「用法・用量」と「投与期間」に注目した「初級編」です。
新年から新しい職場に変わった人、心機一転して頑張りたい人など、ぜひ挑戦してみてください。
Q、【初級No.1】エチゾラム錠
難易度★☆☆☆☆
「特定薬剤管理指導加算1」を算定できる?できない?
(処方)
【般】 エチゾラム錠0.5mg 1錠 分1 就寝前 30日分
解説/初級No.1エチゾラム錠
解説
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「エチゾラム」の薬効分類は「精神神経用剤」で、「特定薬剤管理指導加算1」を算定できる“特に安全管理が必要な医薬品”として定められているものです。そのため、通常は加算を算定できる医薬品として扱います。
しかし、「エチゾラム」には「神経症、うつ病」以外にも「睡眠障害」に保険適応があり、こちらを目的に処方されている場合には加算を算定することはできません。
「精神神経用剤」として処方される場合には、1日3mgを3回に分けて服用するのが通常です。1日1mgを就寝前に1回服用するこの用法・用量は「睡眠障害」を目的として処方だと考えられます。「特定薬剤管理指導加算1」の加算の対象となる疾患ではないため、算定することはできません。
*チェックポイント 「エチゾラム」の用法・用量
「エチゾラム」の適応症 |
一般的な用法用量 |
ハイリスク加算 |
神経症、うつ病 |
1日3mg、分3 |
可 |
心身症、頸椎症、腰痛症、筋収縮性頭痛
|
1日1.5mg、分3 |
- |
睡眠障害
|
1日1~3mg、就寝前 |
- |
〈神経症、うつ病〉
通常、成人にはエチゾラムとして 1 日 3mg を 3 回に分けて 経口投与する。
〈心身症、頸椎症、腰痛症、筋収縮性頭痛〉
通常、成人にはエチゾラムとして1日1.5mgを3回に分けて経口投与する。
〈睡眠障害〉
通常、成人にはエチゾラムとして1日1~3mgを就寝前に1回経口投与する。 なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減するが、 高齢者には、エチゾラムとして1日1.5mgまでとする。
※エチゾラムの算定についての詳しい解説はこちら
Q、【初級No.2】 【般】 デュロキセチンカプセル
難易度★★☆☆☆
「特定薬剤管理指導加算1」を算定できる?できない?
(処方)
【般】 デュロキセチンカプセル30mg 2Cap 分1 朝食後 30日分