「ハイリスク加算」クイズ(中級編)~適応症に注意したい薬
前回の【初級編】に続き、今回はやや難易度を上げた【中級編】です。
用法用量に注目しているだけでは、はっきりとは判断しづらい事例にどう対応すれば良いでしょうか?そのような事例に対応できるようになる問題を集めました。
Q、【中級No.1】 バルプロ酸ナトリウム錠
難易度★★★☆☆
「特定薬剤管理指導加算1」を算定できる?できない?
(処方)
【般】バルプロ酸ナトリウム錠200mg 2錠
分2 朝夕食後 28日分
【般】リザトリプタン口腔内崩壊錠10mg 1錠
1回1錠 頭痛時 5回分
解説/中級No.1バルプロ酸ナトリウム錠
解説
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「バルプロ酸ナトリウム」の薬効分類は「抗てんかん剤」と「精神神経用剤」で、「特定薬剤管理指導加算1」を算定できる“特に安全管理が必要な医薬品”として定められているものです。そのため、通常は加算を算定できる医薬品として扱います。
しかし、「バルプロ酸ナトリウム」には「てんかん」や「うつ病」以外にも「片頭痛発作の発症抑制」の保険適用があり、こちらを目的に処方されている場合には加算の算定はできません。
1日400mgを2回に分けて服用するこの用法・用量では、「てんかん」「うつ病」「片頭痛予防」のどれを目的にした処方か判断できませんが、同時に片頭痛治療薬の「リザトリプタン」が処方されていることを踏まえると、「片頭痛予防」を目的にした処方の可能性が高い、と考えられます。
「特定薬剤管理指導加算1」の加算の対象となる疾患ではないため、算定することはできません。
*チェックポイント 「バルプロ酸ナトリウム」の用法・用量
「バルプロ酸」の適応症 |
一般的な用法用量 |
ハイリスク加算 |
各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療 |
1日400~1,200mg、
分1~2 |
可 |
片頭痛発作の発症抑制 |
1日400~800mg、
分1~2 |
- |
〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉
通常1日量バルプロ酸ナトリウムとして400〜1,200mgを1日1〜2回に分けて経口投与する。 ただし、年齢・症状に応じ適宜増減する。
〈片頭痛発作の発症抑制〉
通常1日量バルプロ酸ナトリウムとして400〜800mgを1日1〜2回に分けて経口投与する。 なお、年齢・症状に応じ適宜増減するが、1日量として1,000mgを超えないこと。
※バルプロ酸ナトリウムの算定についての詳しい解説はこちら
Q、【中級No.2】 【般】 ビソプロロールフマル酸塩錠
難易度★★★☆☆
「特定薬剤管理指導加算1」を算定できる?できない?
(処方)
【般】 ビソプロロールフマル酸塩錠0.625mg 1錠
分1 朝食後 28日分