「ハイリスク加算」クイズ(上級編)~意外な適応症をもつ薬
前回の【中級編】に続き、今回はさらに難易度の高い【上級編】です。薬の“意外な適応症”も知っておかないと気づけない算定の機会を、ぜひ知っておきましょう。
Q、【上級No.1】 ベラパミル塩酸塩錠
難易度★★★★☆
「特定薬剤管理指導加算1」を算定できる?できない?
(処方)
  【般】 ベラパミル塩酸塩錠40mg   3錠
      分3 毎食後       28日分
 
解説/上級No.1ベラパミル塩酸塩錠
解説
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「ベラパミル塩酸塩」の薬効分類は「血管拡張剤」で、「特定薬剤管理指導加算1」を算定できる“特に安全管理が必要な医薬品”として定められているものではありません。そのため、通常は加算の対象外として扱います。
しかし、「ベラパミル塩酸塩」には「狭心症」以外に「不整脈」にも保険適用があり、こちらを目的に処方されている場合には加算の算定対象となります。
1回40mgを1日3回服用するこの用法・用量では、「狭心症」か「不整脈」のどちらを目的にした処方か判断できないため、何を目的に処方されたのか確認をする必要があります。
「不整脈」を目的に処方されたと確認できれば、「特定薬剤管理指導加算1」の加算対象となる疾患であるため、算定することができます。
*チェックポイント 「ベラパミル塩酸塩」の用法・用量
 
  | 「ベラパミル」の適応症 | 
  一般的な用法用量 | 
  ハイリスク加算 | 
 
 
  | 頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍) | 
  1回40~80mg、1日3回 | 
  可 | 
 
 
  | 狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患 | 
  1回40~80mg、1日3回 | 
  - | 
 
成人:
〈頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)〉
 通常成人、1回1~2錠(ベラパミル塩酸塩として1回40~80mg) を、1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
〈狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患〉
 通常成人、1回1~2錠(ベラパミル塩酸塩として1回40~80mg) を、1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
小児:
〈頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)〉
 通常、小児には、ベラパミル塩酸塩として1日3~6mg/kg(た だし、1日240mgを超えない)を、1日3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
 
※ベラパミルの算定についての詳しい解説はこちら
 
 
Q、【上級No.2】 ダイアモックス錠
難易度★★★★★
「特定薬剤管理指導加算1」を算定できる?できない?
(処方)
  ダイアモックス錠250mg   3錠
   分3 毎食後      28日分