クイズ!スイッチOTC医薬品「ロキソニンS」と医療用の使い方の違いは?
- OTC医薬品「ロキソニンS」と医療用医薬品「ロキソニン」の、用法用量(1日量、1回量)の違い
- OTC医薬品「ロキソニンS」を続けて使える日数の上限と、その理由
- OTC医薬品「ロキソニンS」にだけある特殊な制限(心臓病)、注意したい類似商品(眠くなるもの)
地域支援体制加算の関係で、新たにOTC医薬品の販売を始めた薬局も多いと思います。
OTC医薬品の中には、「スイッチOTC」と呼ばれる“医療用医薬品と同じ薬”が存在しますが、これを「成分が同じだから」と医療用医薬品と全く同じ使い方で扱っていると、実は知らないうちに不適切使用をしてしまうことがよくあります。
こうした不適切使用で起きた副作用は、救済制度の対象にならない可能性があるため、OTC医薬品のルールを守って使う必要があります。
前編の今回は、痛み止めの「ロキソニンS」の、意外と知られていない“OTC医薬品ならでは”の特殊な使い方や注意点について、医療用医薬品との違いを中心に紹介していきます。
チェック: OTC医薬品「ロキソニンS」の用法用量は?
医療用医薬品の「ロキソニン(ロキソプロフェン)」は、通常1回60mgを1日3回で用いるか、あるいは頓服では1日180mgを上限に、1回60~120mgで使うことができます1)。そのため、「ロキソニン」を“1日3錠(180mg)まで”の薬と認識している人も多いと思います。
一方、OTC医薬品の「ロキソニンS」も医療用医薬品の「ロキソニン」と同じ、1錠にロキソプロフェンを60mg含有する、薬としては全く製剤です。このOTC医薬品の「ロキソニンS」の用法用量は、どのように設定されているでしょうか。
OTC医薬品の「ロキソニンS」、頓服では1回に何錠まで使える?
- 1回1錠(60mg)まで
- 1回2錠(120mg)まで
- 1回3錠(180mg)まで
OTC医薬品の「ロキソニンS」、1日に何錠まで使える?
- 1日1錠(60mg)まで
- 1日2錠(120mg)まで
- 1日3錠(180mg)まで
OTC医薬品の「ロキソニンS」、連続で何日間まで使える?
- 14日間まで
- 7日間まで
- 3~5日間まで
クイズの解説
OTC医薬品の「ロキソニンS」は、医療用医薬品の「ロキソニン」と全く同じ製剤ですが、その用法用量は「1回1錠(60mg)、1日2回まで」と、より厳しめに設定されています2)。
これは、OTC医薬品がある程度は“自己判断”で用いられることを前提に、安全性を重視して設けられた制限と考えられます。
つまり、OTC医薬品の「ロキソニンS」を販売する際に、医療用医薬品と同じように、1日に3回(180mg)で使ったり、1回に2錠(120mg)を服用したりする方法を説明すると、それは用法用量から逸脱した使い方になってしまう、ということです。
また、医療用医薬品の「ロキソニン」は1日3回でしばらく継続して服用し続けることもありますが、OTC医薬品の「ロキソニンS」に定期服用の用法は設定されていません。あくまで頓服が基本で、長期の連続服用は最長でも3~5日までに留めなければなりません2)。