薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2025年1月31日 児島 悠史

なぜ、インフルエンザのときに「アスピリン」がダメなのか?詳細解説

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☞この記事でわかること
  • インフルエンザの時に「アスピリン」を避けた方が良い理由
  • 「アスピリン」を定期服用している患者さんには、どんな人が居るか(抗血小板薬、あるいは川崎病の治療として)
  • OTC医薬品の「アスピリン」製剤を扱う際に気をつけたいこと(注意書きの記載がない)

解熱鎮痛薬の「アスピリン」は、インフルエンザの患者さんには避けた方が良い薬ですが、その理由はきちんと説明できるでしょうか。このシーズンに多いインフルエンザへの対応に備えて、改めて注意点をおさらいしておきましょう。

インフルエンザで「アスピリン」を避けた方がいいのはなぜ?

「アスピリン」の添付文書には、“インフルエンザの患者には投与しないこと”を原則とする注意書きが記載されています1)。これは、インフルエンザの際に「アスピリン」を使用することが、ライ症候群のリスクになり、脳症を悪化させる恐れがある2)からです。

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▲『バファリン配合錠A81』添付文書の「9.特定の背景を有する患者に関する注意」

「アスピリン」は、「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」に比べると解熱・鎮痛効果が弱い3,4)こともあり、現在では“解熱鎮痛薬”として用いられることはほとんどありませんが、抗血小板薬としての低用量「アスピリン」は今でも広く使われています。

そのため、抗血小板薬としての「アスピリン」を定期服用している患者さんがインフルエンザに罹患した際に、偶発的に「インフルエンザの患者がアスピリンを服用してしまう」といった事態が起こり得ます。

川崎病の治療で「アスピリン」を定期服用している子どもは要注意

見落としやすい「アスピリン」処方としてもう1つ気を付けたいのが、「川崎病(あるいは川崎病による心血管後遺症)」に対して用いられるケースです。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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