インフルエンザ対応策。ロキソプロフェンやイブプロフェンは使えるのか?
- インフルエンザの時に注意が必要な、「アスピリン」以外の解熱鎮痛薬
- 「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」といった頻用されるNSAIDsのリスクと扱い方
インフルエンザの患者さんには「アスピリン」を避けた方が良い…というのは良く知られた話(☞前編)ですが、では「アスピリン」以外のNSAIDsであれば特に注意は必要ないのでしょうか。後編では、解熱鎮痛薬として頻用される「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」といった薬の扱いについて解説します。
「ライ症候群」のリスクが指摘されているのは「アスピリン」だけ?
インフルエンザに対する使用でライ症候群のリスクが指摘されているのは、「アスピリン」の他に「ジクロフェナク」や「メフェナム酸」といった薬が挙げられます1)。
そのため、ジクロフェナク製剤の「ボルタレン錠」やメフェナム酸製剤の「ポンタールカプセル」では、添付文書でもインフルエンザに伴う発熱(※特に小児)への投与に関しては、“使わないことを原則とする”という注意書きが記載されています2,3)。
一方で、他のNSAIDsには特にライ症候群への注意喚起は記載されていません。
ということは、インフルエンザの時には、「アスピリン」「ジクロフェナク」「メフェナム酸」の3剤だけに気を付けていれば十分かというと、そういうわけでもなさそうです。
成人に対する「ロキソプロフェン」や「イブプロフェン」も、“安全性”が確立しているわけではない
インフルエンザの際の解熱鎮痛薬として、最も安全性が高いのは「アセトアミノフェン」です4)。
しかし、「アセトアミノフェン」の解熱・鎮痛効果は比較的やさしめなため、インフルエンザによる高熱や強い痛みに対しては、より高い効果を期待できる「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」といったNSAIDsを用いるケースがあります。
確かに、「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」に関しては、インフルエンザの際に使うことのリスクが明確に指摘されているわけではありません。